金属3Dプリンターが生んだ月着陸実証機の衝撃吸収材、万博で展示中

大阪・関西万博での衝撃吸収材の展示

2025年に開催される大阪・関西万博では、日本の宇宙開発の最前線が紹介されています。その中でも、日本積層造形株式会社（JAMPT）が金属3Dプリンターを使って制作したアルミニウム製の「衝撃吸収材」が特に注目されています。この衝撃吸収材は、小型月着陸実証機SLIMに搭載され、万博の日本政府館「ファクトリーエリア」で展示されています。

SLIMと衝撃吸収材の役割

SLIMは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構（JAXA）が開発した月着陸機で、2025年1月20日に日本初の月面軟着陸に成功することが期待されています。この機体は、着陸地点からわずか55メートルの位置に正確に着陸する「ピンポイント着陸技術」をも搭載しています。

SLIMの成功を支えたのが、JAMPTが製造した衝撃吸収材です。この特殊な材質は、軽量でありながら耐久性が特徴です。着陸時に自らが潰れることで、SLIMを地面の衝撃から守る役割を果たしています。これにより、SLIMは宇宙探査の未来を一歩前進させる重要な要素として位置づけられています。

循環型ものづくりと展示内容

日本政府館では、数世紀にわたる日本の製造業の進化も紹介されています。その中で特に注目されているのが、「循環型ものづくり」という概念です。JAMPTの衝撃吸収材とともに、京都の流れ橋が紹介されており、壊れることによって衝撃を吸収するという思考がつながっています。

この展示では、未来のものづくりが如何に創造的で、環境にも配慮されたものであるかを体感できるでしょう。また、「ドラえもん」がナビゲーターとして登場し、観覧者に分かりやすく説明することで、未来のテクノロジーへの理解を深める手助けをしています。

JAMPTのコメントと未来に向けて

JAMPTの代表取締役、大竹卓也氏は次のようにコメントしています。「我々が製造した衝撃吸収材がSLIMの歴史的な月面着陸に寄与し、万博という素晴らしい場で皆様に見ていただけることを誇りに思います。」

金属3Dプリンティング技術は、これからの宇宙開発において非常に重要な役割を果たすと信じられています。具体的には、燃焼試験の頻度を向上させることでロケットエンジンの開発をスピードアップさせ、より多様な製品を短期間で製造することが可能になります。これにより宇宙技術の向上を期待されているのです。

まとめ

大阪・関西万博は、これからの技術を体験できる貴重な機会です。JAMPTの衝撃吸収材を実際に見て、金属3Dプリンティング技術の可能性を感じてみてはいかがでしょうか。この展示は2025年10月13日まで行われていますので、万博に訪れる際にはぜひ立ち寄り、宇宙開発の最前線を体感してみてください。未来のものづくりがどのように展開されるのか、あなた自身の目で確かめることができます。