俳優と妻の絆を描いた感動のドキュメンタリー受賞の快挙

HTBノンフィクション「生ききる」最優秀賞を受賞

北海道テレビが制作したノンフィクション番組「生ききる～俳優と妻の夜想曲～」が、2025年の日本民間放送連盟賞の番組部門で最優秀賞を受賞しました。この受賞は、同局が6年ぶりに獲得したもので、特に教養番組部門での最優秀は2003年以来の栄誉であり、波乱の多いテレビ界での成績としては非常に意義深いものです。

番組の内容と評価

「生ききる」は、俳優で脚本家の斎藤歩さんが、余命半年との宣告を受けながらも新たな舞台を作り上げる過程に焦点を当てたドキュメンタリーです。痛みを抱えながらも舞台に立ち続ける斎藤さんと、彼を支える妻の西田薫さんとの夫婦の葛藤が、番組の中心的なテーマとなっています。

この作品が評価された理由は、病との闘いのリアルな描写や、夫婦の感情の変化が丁寧に映し出されている点にあります。ディレクターの沼田博光氏は、「この賞は、全てをさらけ出してくれた斎藤さんと、夫婦で共に前を向こうともがいた妻の存在が大きい」と語り、受賞の喜びを表現しています。

受賞の背後にある思い

受賞式は11月7日(金)に開催され、番組部門での優秀な作品が顕彰される中で、グランプリと準グランプリが発表される予定です。「生ききる」は、その強いメッセージ性と真摯な姿勢から、多くの困難に直面している人々に勇気を与える作品として受け止められています。

また、今回の受賞式は斎藤さんのお別れ会の日とも重なり、スタッフは深い感慨を抱いています。沼田ディレクターは、「その時に受賞の報告をしたい」と述べ、自身の思いを手紙にしたためるとともに、斎藤さんの強さを伝えるイベントにしたいとの思いを抱いています。