訪問看護ステーションの急成長と直面する課題とは
2025年6月13日に発表された「令和7年度 訪問看護ステーション数 調査結果」によると、全国の訪問看護ステーションの稼働数は18,743件に達し、前年比で1,414件増加しました。この数字は、高齢化が進む日本において、在宅医療の重要性がますます認識されていることを示しています。
訪問看護ステーションの新規開設の傾向
この数は、地域包括ケアシステムの構築や、診療報酬改定と介護報酬改定が2012年に行われて以降の急成長を反映しています。新規開設されたステーション数も過去最多の2,487件で、訪問看護への新規参入が活発化しています。2025年には団塊の世代が後期高齢者に達し、医療と介護のニーズがさらに高まることが予想されています。この背景により、訪問看護の需要が急増していることがわかります。
廃止・休止の増加の現実
一方で、訪問看護ステーションの廃止および休止も増えており、886件の廃止と355件の休止が過去最高を記録しました。廃止の主な理由は「従業員確保の困難」が22.7%を占めており、次いで「管理者の退職」が17.6%。休止の場合も人員基準を満たさないことや、利用者が少ないことが影響しています。このように、「人材確保」と「利用者の減少」が大きな課題となっています。
在宅医療の重要性
訪問看護ステーションの増加は、在宅医療の需要が高まっていることを表しています。しかし、退職者の増加と看護師の担い手不足により、事業運営が難しくなっています。2040年に向けて、在宅医療の需要はさらに高まるとされていますが、現状での課題を無視することはできません。
人材確保と環境整備の必要性
訪問看護ステーションは、業務を維持するために人材の確保や、働きやすい環境作りが求められています。看護業務に集中できる環境、正当な評価が重要です。また、多職種連携を高め、地域の医療実情に合わせたサービスを提供することも重要です。これにより、利用者を安定的に確保できる可能性があります。
eWeLLの取り組み
株式会社eWeLLは、訪問看護における支援を行うために、電子カルテ「iBow」や、事務管理代行サービス、法定研修プログラムを提供しています。これらのサービスにより、看護師の業務効率を向上させ、患者のQOL向上に寄与することを目指しています。また、無料セミナーや情報発信を通じて、訪問看護の成長を支援しています。
このように、訪問看護の重要性が増す中で、持続可能なサービス提供を維持するには、業界全体での意識改革が求められています。地域医療におけるさらなる改善が、今後の課題となるでしょう。