看護師の働き方改革:賃上げ検討と業務負担軽減の現状
現在、全国各地の病院やクリニックでは看護師の働き方改革が注目されています。株式会社エス・エム・エスが行った「看護師の働き方に関する意識調査2026」の結果を基に、現状の課題や改革の取り組みについて詳しく見ていきましょう。
調査の概要
本調査は、看護師が勤務する医療機関や介護施設に属する577名の人事担当者を対象に行われました。目的は、看護師の採用・定着に向けた取り組みを可視化し、今後の施策に活用するためのデータ収集です。具体的には、賃上げの実施状況や働き方改革の進捗を探ることが主なテーマとなっています。
賃上げ検討の現状
調査によると、全体の63.3%の事業者が基本給や手当などの賃上げを予定しているとのこと。しかし、基本給を含む賃上げを実施するのは33.3%に過ぎず、賃上げ率も1.0%から1.5%が最も多いというものでした。この結果は、看護師の職場の経済的環境を浮き彫りにしていると言えるでしょう。
看護師不足の課題
77.3%の事業者が看護師の不足感を抱えているという結果も報告されており、これは昨年からほとんど変化がない状況です。また、働き方改革の取り組みをまだ進めていない事業者は約半数に達しており、これが今後の看護業界における大きな課題となるでしょう。
月間残業時間の実態
調査では、月の平均残業時間が1時間以上5時間未満であることが多いとされています。次点は5時間以上10時間未満という結果もあり、看護師の過重労働が続いていることが窺えます。その中で、残業時間の削減が効果的な改革として挙げられています。
ICT活用の進展
問い合わせた事業者の中には、業務プロセスを見直し、ICT(情報通信技術)を活用することで効率化を図っているところも多いようです。タスクシフトにより、看護助手や介護助手にも業務を分担させ、看護師自身の負担を軽減する動きが広がっています。
例えば、実際に導入されたAI技術を使った看護サマリや、業務の議事録の要約を行うツールが、看護師の業務負担減に寄与しているといった具体例も報告されています。これにより、看護師が直接患者と向き合う時間を増やすことができる環境が整いつつあります。
働き方改革の効果
今後の看護見込みとして、60代以上の看護師を活用している事例が約6割にのぼり、これもまた看護現場に新たな視点を与えています。ペイシェントハラスメントという課題も残っている一方で、DX(デジタルトランスフォーメーション)の促進により、業務負担を減少させる取り組みが進行中です。
まとめ
この調査結果は、看護師の働き方改革に向けた現場の状況を浮き彫りにしており、賃上げや業務負担の軽減に向けての挑戦が続くことを示しています。これからも看護師が働きやすい環境を整えるための取り組みが求められるでしょう。
今後、さらなる調査や意識改革を通じて、看護業界全体の改善が図られていくことを期待したいものです。