ヤマハとOverseas Tradersが協働でインドローズウッドの保全に着手
2025年11月、ヤマハ株式会社はインドの製材業者Overseas Tradersと連携協定を締結し、インドローズウッドの持続可能な森林保全を目指す取り組みを開始します。この協定は、両社がインドローズウッドの製品のサプライチェーンを共同で構築し、持続的な森林管理の実践を推進することを目的としています。
インドローズウッドの重要性
インドローズウッドはアコースティックギターやエレキギターの製造に欠かせない重要な素材で、特にギターの側板や裏板に利用されます。インド南部では、この木材が森林から伐採され消費されていますが、近年、資源の枯渇やその質が懸念されています。これにより、持続的な森林管理の必要性が一層高まっています。ヤマハは、こうした課題に直面している中で、地域社会と連携した循環型の森林づくりを行う「おとの森」活動の一環として、インドローズウッドの中長期的な資源保全に着手することとなりました。
新たなる協力のスタート
協定を基に、ヤマハは2022年からインド南部のカルナータカ州におけるサプライチェーンの調査をスタートしました。現在、森林内での天然更新が難しいため、この木材の持続可能性に問題があります。それを解決するために、Overseas Tradersと現地の研究機関、政府機関と共に植林試験や材料利用効率の検証を進め、サステナブルな森林保全モデルの構築に取り組む方針です。
Overseas Tradersはカルナータカ州フブリ市に拠点を持ち、インドローズウッドの製材から販売、輸出に至るまで広範な事業を展開している企業です。同社の代表であるAnkit Yogi氏は、「持続可能な木材の利用を実現し、森林の持続可能性が楽器づくりにおいて鍵となることを私たちは強く信じています。今回の協力は、そのための大きな一歩となるでしょう」と語っています。
おとの森活動
「おとの森」とは、ヤマハが推進する森林づくりの取り組みで、持続可能な木材確保と地域社会の発展を目指しています。この活動は、アフリカやアジアを中心に広がりを見せつつあり、楽器製造に必要な資源を未来にわたって確保するための研究開発を行っています。おとの森活動の詳細については、公式サイトで確認できます。これは単に森林を守るための活動ではなく、楽器製造業の未来のためにも非常に重要な意義を持っています。
まとめ
ヤマハとOverseas Tradersの協力は、持続可能な資源利用と森林保全を目指す新たな試みです。これにより、次世代に良質なインドローズウッドを引き継ぎ、音楽を愛する人々にその素晴らしい響きを届けることが期待されます。協働の進展に注目し、今後の活動にも期待が寄せられています。