大和ハウス工業がタイでの太陽光発電事業を推進
2025年2月、 大和ハウス工業株式会社は、タイのWHA Corporation PCLと共に海外初となる「オンサイトPPA」モデルによる自家消費型太陽光発電システムの展開を開始しました。この取り組みは、タイの脱炭素社会を目指した政府の計画の支援もあり、日系企業のニーズに応えるものです。
オンサイトPPAとは何か?
「オンサイトPPA」(Power Purchase Agreement)モデルは、建物の屋根や土地に設置した太陽光発電設備から生み出される電力を、建物の入居企業に供給する仕組みです。このモデルにより、施設所有者が初期投資をすることなく、無償で転送される再生可能エネルギーを利用できます。発電された電力は、電気料金を通じて入居企業に供給され、これによりCO2排出削減にも貢献します。
環境エネルギー事業の拡大
大和ハウスグループは、2022年にスタートした「第7次中期経営計画」の一環として、2026年度には海外事業で1兆円の売上を目指しています。特にASEAN地域においては、日系企業の進出と共に工業団地の開発を進め、事業を拡大してきました。また、WHA社との合弁会社設立を通じ、タイ国内でも物流及び商業施設の開発と運営を行っています。
このような背景から、WHA社との連携により、タイの日系企業を中心に太陽光発電システムの導入を進め、オンサイトPPA方式を展開する予定です。第一弾として、2025年内にはタイに展開中の日本企業の工場の屋根にシステムを設置し、プロジェクトの運用を開始します。
タイ政府のエネルギー政策との連携
タイ政府は「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」において、カーボンニュートラルの実現やネット・ゼロ・エミッションを2050年までに達成するという目標を掲げています。これに伴い、再生可能エネルギーの比率を2037年までに全電力供給量の50%以上に引き上げることを目指しています。
日系企業の約70%が脱炭素に向けた取り組みを行っている現状も踏まえ、大和ハウス工業は日本企業が進出している地域での脱炭素社会実現に向けて、オンサイトPPAを利用した再生可能エネルギー事業を強化していく方針です。
結論と未来への展望
大和ハウス工業のタイ進出は、ただの事業活動ではなく、環境に対する責任を持った行動でもあります。WHA社との協業により、現地の日系企業に向けた持続可能なエネルギーソリューションを提供することで、双方にとって利益をもたらし、脱炭素社会の実現に寄与することを目指します。今後の展開により、タイの再生可能エネルギー事業はさらなる発展が期待されます。