オオサンショウウオの貴重な孵化記録が公開!
この度、動物写真家である福田幸広氏が撮影したオオサンショウウオの孵化シーンが公開され、専門知識がなくてもその神秘に触れられる貴重な機会が訪れました。この作品群は、キヤノンマーケティングジャパンが主催するウェブコンテンツ「Lights of 5」で初めて公開され、多くの方々に自然の驚異の美しさを伝えることを目的としています。
孵化シーン撮影の背景
オオサンショウウオは、その独特な生体と生態系の中で非常に重要な役割を果たしています。国の特別天然記念物に指定されており、撮影や観察には厳しい制約がある中で、福田氏は2008年から約16年間にわたって研究者と共に調査を続けてきました。今回のプロジェクトは、オオサンショウウオの卵がどのように孵化するかを実写で記録し、それを通じてその生態を理解する手助けをすることが狙いです。
この撮影は、福田氏によって2024年の9月1日から10月20日まで行われました。卵の状態や成長過程を記録するために、様々な最新のカメラ技術を用いています。特に注目されるのは、被写界深度合成やタイムラプス撮影を駆使することによって、孵化の過程を色鮮やかに映し出したことです。
脆弱な自然環境への配慮
オオサンショウウオの卵は、産卵後に流出してしまうことも少なくないため、プロジェクトチームは特に慎重なアプローチを取りました。流れ出た卵を回収して約50日間お世話をし、自立できる状態まで育てた後に、川の近くに放流する計画が進められています。このように、福田氏が撮影する背景には生態系の保護への強い思いが込められています。
撮影方法の革新
福田氏は、約50日間をオオサンショウウオの水槽の横で過ごし、その間、赤ちゃんが卵膜を破って外に出る瞬間や卵の中で愛らしく泳ぐ様子を撮影しました。これまで論文やWebでの映像は存在しましたが、高解像度の映像として公開されたことはなく、福田氏にとっても新たな挑戦となりました。
福田氏は、「この撮影を通じて、多くの方々にオオサンショウウオの魅力や卵の発生過程を知ってもらい、その保護の重要性を理解していただくことができればと思っています」とコメントしています。
最新機材による撮影
撮影には、2024年8月に発売されるミラーレスカメラ「EOS R5 Mark II」が使用されました。高解像度で細部を鮮明に捉えるだけでなく、ディープラーニングに基づく先進的なオートフォーカス機能によって、ストレスの少ない撮影が実現されています。これにより、福田氏の目で見た美しい瞬間が、観る人々に感動を与える映像となっています。
また、高解像度な映像で記録されたオオサンショウウオの孵化シーンは、単なる生態観察を超えたアートとして、多くの人々に感動をもたらすことでしょう。福田氏のその他の作品も「Lights of 5」でご覧いただけます。
おわりに
福田幸広氏の作品群は、オオサンショウウオという希少種の神秘を伝えるプロジェクトの一部に過ぎません。美しい映像を通じて、私たちの環境への理解を深める機会でもあります。ぜひその目で、この貴重な瞬間を観てみてください。