泉大津市の防災放送プロジェクト "ハッピースマイル"
3月11日、東日本大震災の日に合わせて、大阪府泉大津市では、子どもたちが防災情報を発信する「こども防災放送プロジェクト『ハッピースマイル』」の再チャレンジが行われます。この活動は、地域社会を守る未来のリーダーとなる子どもたちの防災力を向上させることを目指しています。
プロジェクトの背景と目的
震災の教訓は、決して他人事ではありません。東日本大震災の際、消防無線の故障により、住民に避難指示が届かなかったという事例がありました。泉大津市でも、南海トラフ地震の発生後には短時間で津波が襲来する可能性が指摘されています。また、昨年度実施した大規模防災訓練では、実際に67か所の外部スピーカーの1か所が故障していることが確認されています。
本プロジェクトは、こうした教訓を踏まえ、地域住民に緊急情報を迅速かつ確実に届けるための取り組みです。 子どもたちが声を通じて発信することで、防災意識の向上を図り、実際の避難行動に結びつけていくことが目的です。
再チャレンジの内容と新たな取り組み
1. 防災無線放送
浜小学校の5年生が、地域住民向けに自らの声で防災情報を提供します。子どもたちの発信による地域の絆を深める内容です。
2. 防災無線放送の補完
スマホアプリや電話、FAXを活用し、防災情報を音声やテキストでまとめて届ける情報提供システムを導入します。また、地元のFM局と連携し、ラジオでも放送が行われる予定です。
3. 小津中学校の校内放送
小津中学校でも、校内放送に防災無線の情報を流す仕組みを導入します。両校は津波の浸水想定区域に位置しているため、迅速な避難行動が求められます。
4. クイズを通じた防災教育
防災放送のあと、Zoomを通じて小津中学校の生徒に「防災放送クイズ」を行います。このクイズでは、防災無線放送の重要性やアプリの活用方法を学ぶことができます。
住民の反響と今後の展望
以前の放送に関する市民アンケートでは、約80%の人々が「今後も続けて欲しい」と答えました。一方で、「聞こえない」との意見もあり、今後の発展が求められます。これを受けて新たな仕組みの導入が図られ、さらなる改善に取り組む予定です。
プロジェクトは3回のリハーサルを経て、2023年3月11日の午後0時30分から実施。屋外スピーカーや学校内での放送、自宅で受信できるシステムなど、地域全体で安全確保への意識を高めていくことが期待されています。
子どもたちが地域を守るために立ち上がるこのプロジェクトは、みんなの協力を得ながら、より安全で安心な地域づくりへの道を切り開くことでしょう。未来に向けた新たな一歩を、多くの人が待ち望んでいます。