復職後の働き方に変化、健康重視の新たなキャリア観を求める声

近年、メンタルヘルス不調を抱えたビジネスパーソンの復職支援が注目を集めています。その中で、株式会社Rodinaが実施した「復職後のキャリア観と働き方」に関する調査は、多くの重要な示唆を与えています。この調査によると、復職した全国のビジネスパーソン100名の約91%が、復職後に働き方やキャリア観の変化を実感していることが分かりました。特に、健康や自分のペースを重視する意識へのシフトが顕著だと言います。

健康重視の働き方への移行

調査結果に見ると、復職経験者の63%が「自分のペースや体調への配慮」を重要視しており、次いで40%が「職場の雰囲気」に重きを置いていることが分かります。また、34%の人は「柔軟な働き方（リモートや時短）」を求めています。このデータは、復職者が自分らしい働き方を追求している様子を浮かび上がらせています。

一方で、復職後には不安要素も存在します。「心身の不調の再発への不安」を感じる人は41%に上り、支援制度や職場環境に関する課題も見えています。27%が「復職支援制度が不足している」と不満を抱えており、25%が「相談しにくい雰囲気」があると感じています。

企業への期待と必要な支援

復職者の声からは、企業や社会に対する期待も見えてきます。具体的には、柔軟な働き方を選べる環境やメンタルヘルスを理解する研修、ハラスメント対策、育児と仕事の両立支援が求められています。復職者は自らのメンタルヘルスを大切にし、長く続けられるキャリアを重視するようになったことが、本調査から明確に浮かび上がりました。

「仕事よりも自分の心身のほうを重視し、調子の悪いときは無理をしない」や、「出世よりも自分のペースで働くことが重要」といったキャリア観の変化は、復職経験者からの共通の声となっています。このように、働き方に対する考え方が大きく変わりつつある現状を把握することが、今後の企業にとっても重要な課題となるでしょう。

日々の工夫と実践

復職後、彼らが取り組んでいる工夫としては、無理をせずに休む、作業の優先順位を付けるなどの具体的な対策が挙げられます。業務の進め方で意識していることとしては、調子が悪い日には休む、マイペースを心掛けるなどが共通しており、体調や気持ちに寄り添った働き方が定着しつつあります。

安定した職場環境を重視する中で、社内コミュニケーションの質や理解が大切だと感じている復職者も多く、仕事以外のプライベートを充実させることも意識されています。家族や職場の上司、同僚とのコミュニケーションを深める努力も見られます。

今後の展望

株式会社Rodinaは、そんな復職者たちの再出発を支援し、安心して働ける環境づくりに取り組んでいます。２,200名以上の復職支援実績をもとに、健康や自分のペースを大切にする働き方を実現するためのプログラムを提供しています。企業の制度見直しやメンタルヘルス対策においても、個々の状況に応じたサポートを行い、多様な働き方の環境づくりを進めています。

このように、復職後の働き方やキャリア観が変化する背景には、メンタルヘルスへの理解が深まることで、より働きやすい社会を求める声が強まっていることが伺えます。今後もこの動きが進展し、企業と社会全体での意識改革が期待されるでしょう。