大阪ガス、インドでの再生可能エネルギー事業に参入
大阪ガス株式会社が、Daigasグループの一員として初めてインドにおける再生可能エネルギー事業に乗り出すことが発表されました。この取り組みは、同社が子会社を通じてインド企業CleanMax社と連携し、商業および工業用の再エネルギー供給を推進するものです。これにより、大阪ガスはインド国内でのエネルギー事業の拡充を図り、同国の脱炭素化推進にも貢献できることを目指します。
インドのエネルギー市場と大阪ガスの参画
インドは現在、世界最大の人口である14億人を擁し、その急成長が注目されています。国土面積は約330万km²で、日本の約9倍という広大なスケールを誇ります。GDPは世界5位に入り、インド政府は再生可能エネルギーの導入を強化し、2030年までに発電容量の500GWを目指す方針を打ち出しています。
「Make in India」政策が進む中、インドのエネルギー需要は急増し、これに伴う深刻な大気汚染問題への対策も求められています。そんな中で大阪ガスは現地のパートナーと協力し、専門技術を活かした事業展開を進めています。
CleanMax社との新会社設立
今回の取り組みでは、CleanMax社と共同で新会社「CleanMax Osaka Gas Renewable Energy Pvt. Ltd.」(略称CORE)を設立し、再生可能エネルギーのアセット開発を行います。COREは、CleanMax社が保有する一部の再エネアセットを受け継ぎつつ、新たな発電設備の開発を手掛け、3年後には約400MWの発電能力を持つ予定です。エネルギーはコーポレートPPA(Power Purchase Agreement)を通じて販売され、顧客の脱炭素化をサポートします。
将来の展望と新エネルギーへの挑戦
大阪ガスが描く未来像として、CleanMax社との協業を基に再生可能エネルギー事業をさらに拡大する方針です。将来的には、グリーン水素やe-メタンなどの新しいエネルギーの可能性を探るため、更なる深い協業関係を築いていくことが期待されています。
都市ガス事業も拡大
実績として、大阪ガスは2021年に日本企業として初めてインドでの都市ガス事業に参入し、着実に事業を拡大しています。インド政府は経済成長に伴うエネルギー需要の増加や環境対策として、都市ガスインフラの整備を急いでいます。これにより、天然ガス自動車(CNG車)の普及が進む中、大阪ガスは交通用、工業用、そして家庭用のエネルギー需要に対応すべく、効率的なガス供給モデルを確立しています。
大阪ガスの使命と今後の展望
Daigasグループは、中期経営計画「Connecting Ambitious Dreams」に基づき、アジアの成長市場でのビジネス拡大を目指します。再生可能エネルギーやエネルギーインフラの開発を通じて、アジアの経済発展及びエネルギーの低・脱炭素化に貢献する姿勢を明確にしています。大阪ガスがインドで果たす役割は、単なるエネルギー供給に留まらず、持続可能な社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。