大阪の伝統野菜を活かした新商品「はっぱのフォカッチャ」
大阪市生野区に本社を構える株式会社ダイヤが、伝統野菜である田辺大根を使用したパンの商品開発を行いました。このプロジェクトは、大阪城南女子短期大学の学生たちと共同で生まれ、地域活性化や食品廃棄問題に着目した試みです。
商品開発の背景
田辺大根は、かつては大阪の台所で重宝されてきた野菜ですが、戦後の都市化や市場の変化によりその姿を消しました。しかし、2000年に種子が保存されていたことが分かり、復活運動が始まります。現在では「なにわの伝統野菜」として認定されています。田辺大根の特徴はその形状で、ずんぐりとした白首、立派な葉を持ちます。生で食べると辛みがあり、煮ると甘くなるため、多様な料理に使われています。
この風味豊かな田辺大根を多くの人に楽しんでもらうため、ダイヤは大阪城南女子短期大学とともに、パンの可能性に目を向けました。大学の学生は、職人と共に試作を重ね、パンに盛り込むアイデアを出し合いました。特に注目すべきは、葉の部分を活用するという点で、これによって食品廃棄の問題にも寄与しようとしています。
商品詳細
新たに誕生した商品名は「はっぱのフォカッチャ」。このフォカッチャは、田辺大根の葉をゴマ油で炒め、食感豊かなフォカッチャ生地にチーズをトッピングして焼き上げました。価格はテイクアウトで330円(税込)となり、販売期間は2025年2月22日から27日までの6日間に限られています。販売は、あべの橋駅の東口店と西口店の2店舗で行われます。
このパンは、葉の食感が楽しめるだけでなく、ほどよい塩味が食欲をそそります。
地域との結びつき
大阪城南女子短期大学は、田辺大根の普及を目的に、種まきや収穫に参加するなどの活動を行っています。また、毎年開催されるレシピコンテストを通じて、田辺大根の新たな魅力を発信しています。2024年1月には、クラウドファンディングを実施し、返礼品には卒業生が考案した『田辺大根と牛肉の煮物』をレトルト化したものも用意される予定です。
このように、地域の人との交流を重視し、伝統野菜に新しい価値を見出そうとする動きは、食文化の発展と地域活性化の両立を目指しています。
まとめ
田辺大根をフューチャーした「はっぱのフォカッチャ」は、ただのパンではなく、地域の魅力を込めた新しい食文化の一部です。伝統野菜の復活とそれを使った新商品によって、多くの人々に田辺大根の魅力を伝える機会になればと思います。この機会を逃さず、ぜひ味わってみてください。