南三陸町の森林再生プロジェクトにコカ・コーラ財団が支援
2023年、コカ・コーラ財団(TCCF)が公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)に対して、総額45万ドルの助成を行い、宮城県南三陸町での森林再生プロジェクトを支援することが発表されました。この助成金は、地域の気候レジリエンスを高めるために活用され、環境保全に寄与することを目的としています。
プロジェクトの背景
日本の国土の67%を森林が占めていることは広く知られています。これらの森林は、生物多様性の保全だけでなく、土砂災害の防止や水質浄化の役割も担っています。しかし、近年、林業従事者の減少や低価格の輸入木材の影響により、国内の林業は衰退しており、適切に管理されていない「放置林」が増加しています。これにより、気候変動による水リスクや災害への脆弱性が高まっています。
再生プロジェクトの概要
本プロジェクトでは、「持続可能な森林管理」を目指し、放置林の再生に向けた取り組みが行われます。具体的には、下層植生の育成を通じて、地域の気候レジリエンスの向上を目指します。下層植生は、森林の健康を保つために重要で、土壌の保持や水分保持能力を強化し、災害予防に寄与します。南三陸町は、町の約77%が森林で構成されているため、このプロジェクトの影響は大きいと期待されています。
プロジェクト期間
プロジェクトは2025年4月から2028年3月までの3年間にわたり実施されます。
主な活動内容
プロジェクトは以下のような主な活動に分かれています。
A. 放置林再生活動
1.
放置林の定義設定とマッピング - 放置林を明確にするための基準が設けられ、その状況を把握するためのマッピングが行われます。
2.
優先区域の特定 - 再生が必要な区域の特定とゾーニング計画が策定されます。
3.
土地所有者からの承認取得 - プロジェクトを進めるために必要な土地所有者との合意形成が進められます。
4.
再生活動の開始 - 実際に再生活動が開始される段階に入ります。
B. モニタリング
再生の効果を測定するため、ベースライン調査や定期的なモニタリングが実施されます。これにより、プロジェクトの進捗や成果が把握されます。
C. 普及活動
地域の高校や観光協会と連携し、広報活動や体験型の研修ツアーが企画されます。また、自治体への意見提言や地域学会への参加を通じて、プロジェクトの重要性を広めていく取り組みが行われます。
コカ・コーラ財団の使命
コカ・コーラ財団は、地域社会に前向きな変化をもたらすことを使命にしています。気候変動への対応や地域の水資源管理の促進を含む多様なプログラムを支援し、持続可能な社会の実現を目指しています。
WWFについて
WWFは、1961年にスイスで設立された環境保全団体であり、100カ国以上で活動しています。生物多様性の回復や地球温暖化防止に向けた取り組みを進めています。
南三陸町でのこのプロジェクトは、気候変動対策としての重要な一歩となるでしょう。地域の皆さんとともに持続可能な未来を築いていくための、新たな価値が生まれることに期待が寄せられています。