ホワイトハンドコーラスNIPPONが偉業を成し遂げた
2025年10月17日、ホワイトハンドコーラスNIPPONの芸術監督でありソプラノ歌手のコロンえりか氏が、「幸せな国づくりセミナー」において『ニルス・エリック・バンク=ミケルセン記念賞2025』を受賞しました。この賞は、障害の有無を超えた社会参加を促進する活動を評価されて贈られるもので、ホワイトハンドコーラスの取り組みが国際的に認識された証です。
受賞の意義
受賞の理由には、ホワイトハンドコーラスNIPPONが2020年に創設し、障害に関わらず多様な子どもたちが共に歌う場を提供している点が挙げられます。特に、手話による歌唱(手歌)と声での歌唱を組み合わせた独自の表現技法が高く評価され、音楽という形でノーマライゼーション理念を体現し続けていることも要因となっています。
授賞式では、デンマークの財団委員から署名入りの賞状が授与され、ホワイトハンドコーラスの活動が国際的に認められたことの喜びを分かち合いました。
コロンえりかの想い
受賞の瞬間、コロンえりか氏は感謝の意を表明しました。「この名誉ある賞は、ホワイトハンドコーラスNIPPONの子どもたち、そして支えてくださる家族や指導者、支援者の皆さまと共に分かち合ったものです。私たちの目指す未来は、すべての子どもが障害を超えて一緒に学び、感じ合える社会です。この賞を励みにして、音楽を通じて新たな未来を築いていきます」と語りました。
デンマーク視察と国際連携の展望
さらにコロンえりか氏は、2026年2月にデンマークでノーマライゼーション政策の実情を視察し、文化交流を行う予定です。この活動によって、どのように新たな価値を生み出すことができるのか、国内外での反響が期待されます。
N.E.バンク-ミケルセンについて
受賞の名を冠しているN.E.バンク-ミケルセンは、デンマークの社会福祉の父と称される人物で、ノーマライゼーションという理念を初めて世界に提唱したことで知られています。彼の理念は、すべての人が地域社会で普通の生活を送る権利があるというものであり、現在の日本の福祉政策にも大きな影響を与えています。
ホワイトハンドコーラスNIPPONとは
ホワイトハンドコーラスNIPPONは、ろう者、難聴、全盲、弱視、車いすユーザーなど、様々なバックグラウンドを持つ子どもたちで構成されています。この団体は、南米ベネズエラで始まった音楽の社会活動「エルシステマ」の理念に基づき、誰もが平等に音楽教育を受けられる環境を提供しています。2020年には東京芸術劇場と共同事業、京都女子大学とも連携して活動を広げています。
合唱団では、手話を使った「手歌」と声歌を組み合わせたパフォーマンスを展開しており、次世代の可能性に満ちた芸術活動を行っています。ホワイトハンドコーラスNIPPONは、2023年にはキッズデザイン賞を受賞し、2024年にはオーストリアでのバリアフリー国際賞受賞も見込まれています。
音楽を通じての社会貢献
音楽を通じた活動は、ただの芸術表現に留まらず、文化的・社会的な影響力をも生み出しています。ホワイトハンドコーラスNIPPONの存在は、障害を持つ子どもたちが社会どこでも平等に扱われることを目指し、未来の社会づくりにおいて必要不可欠な活動と言えるでしょう。
この活動が広がることで、より多くの人々が共に歌い、共に学び、共に感じ合うことができる社会の実現に繋がることを願っています。