菅原天満宮幼稚園の新プロジェクト
大阪市に位置する学校法人菅原天満宮学園が運営する菅原天満宮幼稚園。この幼稚園では、園庭の再整備に向けた「菅原天満の森プロジェクト」を進めています。約2年の準備を経て、2025年3月15日に見事着工。完成は同年4月下旬を予定しています。
このプロジェクトの設計を手掛けるのは、大阪芸術大学の教授であり、優れた造園家かつ動物園デザイナーとして名高い若生謙二氏。彼の代表作には、上野動物園の「パンダのもり」や天王寺動物園の「アフリカサバンナ」などがあります。また、紀の川市の「野遊びの丘」や香里ヌヴェール小学校の「木立の丘」など、自然と触れ合う環境を提供する設計でも知られています。
プロジェクトのコンセプト
菅原天満宮幼稚園では、以下のような要望を若生先生に伝えました。
- - 隣接の天満宮の森や樹齢400年を超えるくすの木を活用すること。
- - 子どもたちが主体的に遊びを選べる環境を整えること。
- - 幼児の感受性を豊かにする五感を刺激するデザインを目指すこと。
これを受け、若生先生からは「自然と遊びが調和した園庭」というコンセプトが提案されました。新しい園庭では、子どもたちの身体、心、想像力を育むとともに、感謝の心を育てる空間が生まれます。
新しい園庭の魅力
新しい園庭は「自然遊び場」として再生されます。土や石、豊かな草木、起伏のある丘など、子どもたちが自然と触れ合いながら遊ぶための多様な要素が用意されています。例えば、丘の上での木陰の中での休憩や、枕木でできた窪んだ籠り場、噴水や砂場が設けられ、人工芝で滑る子どもたちの姿が見られるでしょう。
遊びの中で、子どもたちは個人と集団、さらには喜怒哀楽を学びながら、心を育んでいきます。さくらやハナミズキ、アジサイ、合歓の木などの植栽も施され、自然溢れる空間が広がります。コンクリートやプラスチック製の遊具ではなく、安心して遊べる自然の素材を優先したデザインが、この園庭の大きな特色となっています。
国際バカロレア(IB)と新園庭
この、「菅原天満の森プロジェクト」は、菅原天満宮幼稚園が国際バカロレア(IB)認定校として承認されたことと密接に関係しています。2025年2月には正式に認定を受ける予定で、年少クラスの学習プログラムでは『好きな遊び』を通じて感性をこだわりをもって育てています。年中クラスでは『環境』というテーマに基づいて、資源の限界を探求する活動が盛り込まれています。
教育の場が変わることで、子どもたちの考える力や探究心が育まれることを期待しています。この新しい園庭は、子どもたちにとって「冒険の舞台」となり、自立心を育む上でも大きな役割を果たすことでしょう。大阪の一条校の幼稚園として初めて国際バカロレア(IB)の認定を受けるという特別な自覚を保ちながら、菅原天満宮幼稚園は未来を見据えて進んでいきます。