日本の物流業界に革命をもたらす新たな取り組みが始まりました。NIPPON EXPRESSホールディングスのグループ会社である日本通運株式会社、そして日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)、さらに株式会社T2の3社が協力し、自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせた「モーダルコンビネーション」の実証を行います。このプロジェクトは、日本国内で初めての試みとなります。
実証の第一弾では、雪印メグミルク株式会社の常温品を北海道から関西へと輸送します。このプロジェクトにおいては、T2が開発したレベル2の自動運転トラックを使用して、主要なトランジット区間の輸送を行い、2027年に予定されているレベル4の自動運転トラックを用いたさらなる展開も視野に入れています。
この取り組みの目的は、地球環境問題への配慮、物流業界の労働環境の改善、そして労働力不足の解消です。持続可能な物流の実現を目指し、日本通運を含む5社が2024年11月からの検討を重ねています。自動運転技術と貨物鉄道の全国ネットワークを融合することで、複線化された輸送ルートを確立し、柔軟な輸送能力の向上を図ります。
さらに、今回の実証では、JR貨物とT2が協力して開発した31フィートの共用コンテナを使用します。このコンテナを使用することで、貨物列車から自動運転トラックへのスムーズな載せ替えが可能となります。具体的には、北海道の雪印メグミルク物流拠点から札幌貨物ターミナル駅を日本通運のトラックが担当し、そこからJR貨物の貨物列車で隅田川駅まで輸送。隅田川駅からは、T2の自動運転トラックが関西までを担当します。
実証についての詳細
デモンストレーションは2025年6月20日から6月24日まで行われ、対象区間は北海道から関西までの物流経路です。各社はそれぞれの役割を持ち、雪印メグミルクが商品輸送の品質検証、日本通運が集貨と配達を担当するなど、連携して進められます。
実証内容には特に、隅田川駅における貨物列車からトラックへのコンテナの積み替え作業の検証、北海道と関西間における一貫したオペレーションの実証、自動運転トラックを使用した輸送区間の品質検証が含まれます。ただし、実証期間中は自動運転トラックにドライバーが同乗し、安全を確保した上で運行される予定です。
この新しい取り組みは、業界全体にとっての新たな可能性を切り開くものと期待されており、今後の展開に大きな関心が寄せられています。自動運転トラックと貨物鉄道のシナジー効果が生む未来の物流モデルに、どうぞご注目ください。