小川島での特別な体験!中学生ガイドの「島あるき」
2025年5月18日、佐賀県唐津市の美しい離島、小川島で特別なイベント「島あるき@小川島」が開催されました。このイベントでは、地域おこし協力隊の丸山さんが主催し、島留学制度を利用して小川島に住む中学2年生の米倉愛(まな)さんが初めてのガイドを務めました。家族連れ5組、16名が参加し、米倉さんのガイドの下、島の魅力を学ぶ旅に出かけました。
地域への恩返しを込めて
米倉さんは2022年に小学5年生のときに吉野ヶ里町から小川島へ移住しました。小川島での生活も4年目。このイベントを通じて「これまで応援してくれた島の皆さんに恩返しがしたい」と、米倉さんは強い思いで「おがわんと。」という活動名を掲げて島の魅力を発信しています。
オリジナルガイドブックの作成
今回の「島あるき」に向けて、米倉さんは事前に島の歴史に関する調査を行ない、地域の歴史に詳しい方々への取材も重ねました。その結果、彼女はオリジナルのガイドブックを作成。紹介された場所は「鯨見張り所」「鯨供養塔」「水の浦」そして「野原ノ下」といった、地域に根付くスポットです。
豊かな歴史と体験の融合
ツアー中、米倉さんは小川島がかつて捕鯨で栄えていたことを詳しく解説しました。「鯨骨切り唄」などの伝承や、実際のセミクジラの大きさをロープで再現する演出に、参加者たちは驚きの声を上げていました。参加者はガイドブックを片手に、島の歴史と味わい深い自然を感じながら、米倉さんの熱意あふれる案内に心を打たれていました。
地域の支えを感じる
このイベントの日、島の住民たちも「小川まんじゅう」などを差し入れに持参して米倉さんを応援しました。参加者からは「中学生とは思えないほどのしっかりしたガイドだった」「米倉さんの熱意に感動した」といった声が寄せられました。米倉さんも「ガイドをしていて本当に楽しかったです」と笑顔で語りました。
今後の展望と地域づくり
今回の「島あるき」は地域に住む若者たちが自ら島の歴史や魅力を掘り起こしながら、外部に発信する新しいかたちの地域づくりの第一歩となりました。米倉さんは今後もさらに深い部分まで発信していく意気込みを持っています。
更に、地域おこし協力隊は米倉さんのような次世代の担い手によるガイド企画や体験イベントを今後も継続して行う予定です。これにより、地域の魅力を広く伝えるとともに、観光と清掃を組み合わせる「リジェネラティブ・ツーリズム」の仕組みづくりにも期待が寄せられています。
子どもたちの未来へ
「島あるき」の際、地域おこし協力隊の丸山さんは、小川島と加唐島の子どもたちに「波絵馬」を届けました。これは、大阪・関西万博「ブルーオーシャンドーム」で展示されるもので、子どもたちが「海を守りたい」という願いを書き込み、世界に発信します。小学生として海洋プラスチック問題を学んだ子どもたちが、今では島を案内する中学生へと成長する姿には希望が見えます。
今後も小川島の美しい自然と、人々の温かいサポートのもと、地域全体の活性化が期待されます。