管理栄養士と栄養士の働き方に関する最新リポート

近年、管理栄養士や栄養士の働き方についての関心が高まっています。そんな中、株式会社エス・エム・エスが実施した実態調査では、全国で1,990人の専門家が参加し、働く現場の実情が明らかになりました。ここではその調査結果を詳しくご紹介します。

収入状況と昇給率

調査によると、管理栄養士の月収は「21～25万円代」が最も多く、43.1%に達しています。一方、栄養士は「16～20万円代」が40.4%と、両者の間で収入に差が見られました。また、賞与については、管理栄養士・栄養士ともに「51～60万円代」が最多という結果が出ました。

昇給については、66.6%が昇給したと回答し、前年同期比で4.7%の増加を記録しました。このように、給与水準に対する期待感は高まっていますが、実際には物価高騰の影響も受けています。

残業時間と職場満足度

また、残業時間については、65.7%が月平均10時間以下と回答し、仕事とプライベートの両立ができていることが伺えます。職場満足度も47.3%に上昇し、前年の44.1%から改善が見られました。これにより、勤務環境が改善されていることが示されています。

満足している理由の上位には「休みがとりやすい」「人間関係が良好」「残業代がしっかり出る」といった点が挙げられ、特に人間関係の良さが浮き彫りになりました。一方で、不満点としては「給料が安い」「人手が不足で忙しい」「昇給が見込めない」といった声も寄せられました。

やりがいのある仕事

興味深いことに、調査に参加した管理栄養士や栄養士の7割が自分の仕事にやりがいを感じていると回答しています。特に「患者・利用者から感謝されること」がやりがいを感じる理由として最も多く、41.1%が「休みや勤務時間に満足している」とも答えています。

ただし、本来の業務に集中できている回答は41.9%と低く、多くの専門職が他の業務（電話番や窓口対応など）に追われていることが示されています。こうした状況が、栄養管理業務への影響を懸念する声にも繋がっているようです。

体調管理の状況

体調管理に関しては、多くの管理栄養士が肉や二枚貝の生食を避け、日常生活でもマスクを着用しているといいます。これらの行動は、プロとしての意識の表れと言えるでしょう。また、自らの健康管理や利用者の満足度を向上させるために、イベント食（行事食）の企画を行うことが多く、月に1回程度の頻度でイベントを開催していると答えた割合は42.9%に達しました。

災害意識の高まり

2024年に発生した災害を契機として、約7割が備蓄意識の変化を感じ、半数が備蓄の見直しを行ったと答えています。特に、3日分の備蓄を増加させたという答えが最も多く、地域社会の安全に対して重要な意識が根付いたことが分かります。

まとめと今後

調査の結果、管理栄養士や栄養士の働き方に関しては、全体的に改善が見られるものの、依然として多くの課題が残されていることが浮き彫りになりました。給与水準や仕事の内容など、多角的な視点から見直す必要がありますが、やりがいを感じながら働いている様子からは、彼らの職業への誇りや責任感が感じられます。引き続き、彼らの環境改善やキャリアの支援が求められるでしょう。