令和の新たな落語界を描く『円楽への道七代目三遊亭円楽半生記』の魅力とは

令和の落語界が贈る一冊

2025年6月12日、株式会社竹書房から発売される『円楽への道七代目三遊亭円楽半生記』は、七代目三遊亭円楽自身が自身の波乱の半生を描いた一冊です。本書は、落語界の名家に生まれ、数々の先輩方から学び成長してきた著者の物語であり、落語ファンだけでなく広い読者層からも注目を集めています。

書籍の内容

著者は、父親が有名な落語家であるため、幼少期はその環境に戸惑うことも少なくありませんでした。小学生時代、クラスメイトから『笑点』のテーマソングをネタに反応されるたび、彼の心には居心地の悪さがありました。母親が電話に出る際、「好楽です」と名乗ることで、実家の名声が仇となり、時には「ウチは中華料理屋だ」と嘘をつく日常が続きます。

その一方で、若き日の著者は映画好きな大学生として多くの感銘を受け、ついには落語に出会います。「こんなに素晴らしい芸能が存在するのか」との驚きが、彼の運命を大きく変えるきっかけとなります。五代目三遊亭圓楽への入門を決意し、王楽という高座名を賜ることで、彼の新たな挑戦が始まりました。

成長の軌跡

入門早々、著者は師匠から大ネタを教わり、春風亭小朝に可愛がられながら若手真打へと成長していきます。流派を問わない多くの落語家との交流が、彼にとっての糧となり、センスを磨いていくこととなりました。その中で、六代目円楽の言葉である「七代目円楽は王楽に」という重みを感じながら、襲名の決定がなされました。

二世落語家としての誇り

著者は、父の背中を追いながらも、決してその名前に甘んじることなく、努力と情熱を持って落語界での地位を確立していきます。興味深いのは、そんな二世落語家ならではの独特な視点で描かれたエピソードが多く、本書にはその愛が溢れています。ここには、先代たちの偉大さや自らのさらなる未来について深く考えさせられる内容が展開されています。

発売イベント情報

本書の発売を記念して、著者は地方大会場での襲名披露興行の際にサイン会を行います。特に、大阪サンケイホールブリーゼでのイベントは、地元ファンにとって見逃せない瞬間となることでしょう。6月15日には彼の新たな挑戦と、人柄を感じることができる貴重な機会となります。

この『円楽への道七代目三遊亭円楽半生記』は、落語界の未来を担う若手への期待や、先代たちへの感謝を現代に残すための貴重な一冊です。この一冊を手にすれば、七代目三遊亭円楽の世界をさらに深く理解し、彼の歩みを共に感じることができることでしょう。彼の成長と情熱の旅路を、ぜひ手に取ってご確認ください。