若手社員とベテラン社員に見る報連相の実態
はじめに
働き方が多様化する現代、職場におけるコミュニケーションの形も変わりつつあります。特に、入社1~3年目の若手社員と入社10年以上のベテラン社員の報連相の認識には、世代による違いが顕著に表れています。最近、株式会社イデックスビジネスサービスが実施した調査により、両者の間にあるコミュニケーションのギャップが浮き彫りになっています。
調査概要
この調査は入社1〜3年目の若手社員512人、及び入社10年以上のベテラン社員504人を対象に行われました。調査の内容は主に、報連相を行う際の手段やタイミング、またそれに関連するコミュニケーションの壁についてです。
若手社員の実態
まず、若手社員が職場で報連相を行う際に好んで使用する手段を見てみましょう。調査によれば、76.2%が「対面」での会話を挙げ、次いで35.7%が「チャットツール」、30.1%が「電話での音声通話」を選択しています。この結果から、若手社員は対面でのコミュニケーションを重視していることが伺えます。特に、ニュアンスを伝えやすい対面の重要性を感じているようです。
しかし、若手社員の約7割が「相談のタイミングを見計らうのが難しい」と感じていることも理解すべきです。上司の忙しさや表情を読むことに負担を抱え、慎重になるあまり、なかなか相談できないという現実があります。また、オフィス内での話しかけづらさも受けており、60.0%の若手社員が「上司や同僚が集中している時」に話しかけづらいと感じています。静寂過ぎる雰囲気や物理的距離が影響しているようです。
さらに、「チャットツールでの報連相において意図が伝わりにくい」との声も多く、6割以上の若手社員がその経験を持っています。テキストコミュニケーションでは、感情やニュアンスが失われがちなため、情報が正確に伝わらないことが問題視されています。
ベテラン社員の視点
一方、入社10年以上のベテラン社員はどう感じているのでしょうか。彼らは若手社員とほぼ同様に、対面や通話の重要性を再確認しているようです。ベテラン社員の意見によれば、声のトーンや反応といった非言語的情報がコミュニケーションの理解を深めるのに役立つといった点では共通する点が見受けられました。
まとめ
この調査から、若手社員とベテラン社員の間における報連相の手段の選択やタイミング、コミュニケーションに対する期待が異なることが明確になりました。若手社員は対面の会話を好み、相談するタイミングに困っており、さらに職場の雰囲気が話しかけづらさを生んでいます。一方でベテラン社員も、非言語コミュニケーションの価値を理解しているとはいえ、若手社員との認識の違いをどうにかしなければならないという課題を抱えています。
オフィス環境の整備や、心理的な安心感を提供できる制度作りが、世代間の認識を縮め、より良い職場環境を生むために必要です。働き方のリノベーションを目指す「WAKURINO(ワクリノ)」は、こういったコミュニケーションの円滑化を促進する一助となるでしょう。今後の職場環境改善に期待が高まります。