大阪の持続可能な航空燃料の新たな拠点
2024年12月25日、日揮ホールディングス株式会社、コスモ石油株式会社、株式会社レボインターナショナル、合同会社SAFFAIRE SKY ENERGYという4社が、国産の持続可能な航空燃料(SAF)を製造する設備を完成させました。この施設は、大阪に拠点を持ち、国内初の100%廃食用油を原料とした大規模なSAF製造を目指しています。
SAFの重要性と未来
SAFは、航空産業におけるCO2排出削減に貢献する非常に重要な燃料です。化石燃料からの転換を図り、持続可能な社会の実現に寄与するため、世界各国での導入が進んでいます。今回のプロジェクトは、持続可能な航空燃料の供給を国内で行うことにより、環境負荷の低減を図るだけでなく、航空業界全体のサステナビリティを向上させることを目指しています。
設備の基本情報
このSAF製造設備では、年間約3万キロリットルの国産SAFを供給可能です。使用される原料は従来の化石燃料とは異なり、廃棄された食用油を再利用することで、無駄を減らしつつ持続可能なエネルギーを生み出します。さらに、このSAFは国際的な持続可能性認証であるISCC CORSIA認証をすでに取得済みです。これは、航空業界における持続可能な燃料の基準を満たしている証明であり、エアラインへの供給においても信頼の証になるでしょう。
供給開始の予定
設備の試運転は2025年1月から開始され、実際のエアラインへのSAF供給は2025年4月を予定しています。このスケジュールは、安定した供給体制を整え、航空会社に対するサービスの信頼性を確保するための重要なステップです。
企業の役割と協力体制
本プロジェクトには、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受け、各社がそれぞれの専門性を発揮しています。日揮HDはサプライチェーン全体の構築を担当し、レボインターナショナルは原料調達を行っています。さらに、サファイア スカイ エナジーはNeat SAFの製造を担い、コスモ石油グループが混合SAFの製造及び需要家への販売を担当しています。このような協力によって、安全で安定的な国産SAFの供給が実現されます。
最後に
大阪に新たに誕生したこのSAF製造設備は、持続可能な社会に向けた大きな一歩です。これから航空産業は環境問題に対する関心が高まる中、この設備がどういった影響を与えるのか、今後の動向に注目が集まります。会社各社が結集して取り組むこのプロジェクトは、持続可能な未来を切り拓く力となることでしょう。