岡山大学、テラヘルツ波を活用した最先端研究で医療の未来を照らす
国立大学法人岡山大学が最新の研究成果を発表し、テラヘルツ波ケミカル顕微鏡を駆使して、DNAアプタマーと神経伝達物質との相互作用をリアルタイムで可視化することに成功しました。この技術革新は、生体分子診断の分野において注目されています。
研究の概要
岡山大学学術研究院ヘルスシステム統合科学学域の准教授、王璡氏の研究チームは、テラヘルツ波を利用して神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン)とDNAアプタマーの相互作用を高感度で測定しました。これにより、表面電位の変化を瞬時に捉えることができ、新たな知見が得られることとなりました。
AlphaFoldを駆使した構造予測
最新の技術であるAlphaFoldを導入し、DNAアプタマーと神経伝達物質の結合メカニズムを明らかにしました。この計算モデリングの手法により、分子間の微細な相互作用が解析されることで、より深い理解が得られました。
医療への応用可能性
この新たな技術により、神経伝達物質の結合をリアルタイムで観察できる手法が確立されました。研究結果は2025年1月13日に科学雑誌『Biosensors』に掲載され、多くの専門家からの注目を集めています。この成果は特に非侵襲的で高感度な診断手法として、神経疾患の早期発見や個別化医療に寄与するものとして期待されています。
今後の展望
今後の研究では、さらなる多様な分子の検出に向けた取り組みが進められる予定です。この技術は、医療機関でのバイオマーカーの検出や疾患の診断にも応用されると考えられ、医療現場の効率化に貢献することが期待されます。特に、個別化医療の実現には大きな可能性が秘められています。
王璡准教授のコメント
王璡准教授は、「この技術をさらに発展させ、多くの分野での応用を目指します。共同研究や応用開発に興味のある方々と新たなコラボレーションを期待しています」と語っています。今後、より広範な応用が期待されるこの研究は、医療の未来を変える一歩となるでしょう。
このように、岡山大学のテラヘルツ波技術が医療診断の領域で新たな展開を迎えていることは、今後の医学研究においても非常に貴重な情報と言えるでしょう。