LPIとさくらインターネットが手を組む
2025年6月16日、Linux Professional Institute(以下、LPI)とさくらインターネットがデジタル技術分野やDX人材育成のための相互協力に関する基本合意を締結しました。この取り組みは、デジタル社会における人材不足を解消し、次世代技術者を育成することを目的としています。
現状の課題
両団体が取り組む背景には、教育現場からの声があります。特に「生徒がLinuxに触れる機会が少ない」「Linux OSに関する教育が散発的で体系化されていない」との指摘が寄せられています。こうした状況から、若年層へのLinux教育の重要性がより一層増していると認識されています。そこで、両者が連携し、実践的な教育プログラムを通じて次世代の人材育成を強化することが決まりました。
相互協力の具体的な内容
基本合意の中で特に注目されるのは、以下の二つの分野の協力です。
1. DX人材育成
LPIは、LPIC(Linux Professional Institute Certified)やEssentialsの学習教材、試験バウチャーを割引価格で提供し、さくらインターネットの教育活動をサポートします。この協力により、さくらインターネットは「さくらのクラウド検定」の内容を充実させるとともに、高専での出前授業やコミュニティ活動の支援を通じて、Linuxやオープンソースソフトウェア(OSS)に触れる機会を広げていく予定です。
2. OSSのエコシステム強化
両者は、OSSに関するセミナーや展示会を共同で実施し、マーケティング活動においても連携します。この取り組みを通じて、OSSコミュニティの活性化を図り、さらに強固なOSSエコシステムの構築を目指しています。これからの活動において、LPIとさくらインターネットは、特にアジア地域での展開にも期待を寄せています。
期待される成果
LPIのエグゼクティブディレクターであるマシュー・ライス氏は、今回の合意を大変嬉しく思っており、クラウドとLinuxの関連性が高まる中で、人材育成に寄与できることは非常に意義深いと表明しています。また、LPIのコミュニケーションディレクターの伊藤健二氏は、将来的には日本国内だけでなく、グローバルな活動の展開も視野に入れたいと語っています。
一方、さくらインターネットの執行役員である髙橋隆行氏は、DX人材の育成はデジタル社会の実現に欠かせないと強調し、LPIと協力することでより実践的なスキルを持った人材を育成し、市場を明るく持続可能にするために尽力すると述べました。
最後に
LPIとさくらインターネットの連携は、今後のデジタル社会における人材不足の解消を目指しており、特に技術者に対する教育と支援の拡充が期待されています。両者の取り組みは、次世代を担う人材育成に大きな影響を与えることでしょう。デジタル技術の進化が急速に進む現代において、こうした取り組みが、社会全体にポジティブな変化をもたらすことに期待が寄せられています。