心を癒すハイレゾ自然音、がん患者の緩和ケアに効能を示す研究結果

ハイレゾ自然音がもたらす癒しの力

研究概要

最近、株式会社JVCケンウッドは、千葉県の国立がん研究センター東病院との共同で行った研究により、ハイレゾ自然音が進行がん患者の緩和ケアにおいてもたらす癒し効果が示されました。この研究は、特に緩和ケア病棟で入院している患者さんを対象に、音響システムを用いて制作したハイレゾ自然音を再生し、その効果を検証したものです。

研究結果

研究の結果、ハイレゾ自然音を用いた患者さんは、日藝版「癒し評価スケール」においてスコアが向上し、身体的な不調であるだるさや息苦しさ、不安といった症状が緩和されたことが示唆されました。特に注目すべきは、約70%の患者が治療開始前後で全体的な状態の改善を感じ、また約50%の患者が睡眠の質の向上を実感した点です。さらに、自律神経機能の評価指標である心拍変動の分析でも顕著な結果が得られました。LF/HFの比率が減少しており、これは副交感神経の活性化を示唆しています。

研究者のコメント

本研究主発表者である下津浦康隆先生は、ハイレゾ自然音を用いた緩和ケアは短時間でも効果を示す可能性があることを評価しています。当然、患者さんに不快感を与えずに、癒し環境を提供できることは患者のQOL（生活の質）向上に貢献するでしょう。

今後の展開

JVCケンウッドは、今後もこの研究を基にしたさらなる具体的な研究を進めていく意向を示しています。目指すのは、より多くの患者が癒しと症状の緩和を得られるよう、ハイレゾ自然音を活用した新たなアプローチの開発です。その活動は、音楽や自然音がもたらす心身への良い影響を科学的に証明する一助となるでしょう。

この研究の詳細につきましては、下記のURLよりご覧いただけます。