戦後80年の思いを込めた再演
2025年、戦後80年の節目に新たな形でよみがえる姉妹の物語「樫の木坂四姉妹」。この作品は、長崎で被爆した姉妹が、どのようにあの日と向き合って生きてきたのかを描いています。原爆投下という悲劇を抱えながらも、彼女たちは生き続けることの意味を問い続けます。
新たな演出としての挑戦
「樫の木坂四姉妹」は15年前に初めて書かれた戯曲です。普遍的なテーマを持ち続けるこの名作は、2023年に初演されましたが、2025年の再演にあたり、詩森ろばが新たな演出を手掛けます。彼はその独自の視点から、異なるアプローチで作品を再構成し、観客に新たな感動を与えることでしょう。
物語の舞台
物語は、長崎の樫の木坂が舞台です。そこには樹齢数百年の樫の古木があり、その木のもとで笑い声が絶えなかった葦葉家の姉妹が描かれます。しかし、1945年8月9日、長崎に原爆が落とされたことで、彼女たちの人生は一変します。樫の木も一度は息絶えたかと思われたものの、翌年には新たな葉を芽吹かせ、再びこの場所に命の息吹をもたらしました。
演出家・詩森ろばのプロフィール
詩森ろばは、岩手県盛岡市出身の劇作家・演出家で、1993年には劇団風琴工房を設立しました。以降、全国各地で精力的に活動をし、骨太な物語を次々と世に送り出しています。彼の作品は、歴史劇から現代の社会問題に至るまで、多岐にわたって取り扱い、常に新しい視点を提供しています。近年は映像作品にも進出し、映画「新聞記者」では日本アカデミー賞の優秀脚本賞も受賞しています。
夏の川企画について
「夏の川企画」は、演劇プロデュースユニットとして2012年に設立され、老いや家族をテーマにした作品を数多く上演しています。龍宝裕子が主宰するこの団体は、さまざまな演出家と協力しながら、幅広い価値観を反映した演劇を届けてきました。「樫の木坂四姉妹」もその一環として、より多くの人にこの感動的な物語を届けるために、再演が決定しました。
公演情報
2025年10月24日から10月26日まで新宿シアターモリエール、10月31日から11月2日まで大阪市立芸術創造館で上演されます。チケットは現在カンフェティにて販売中です。特に夜公演や、割引特典が付与された公演もありますので、ぜひお見逃しなく。
この機会に、戦後の歴史とともに生きる姉妹の物語「樫の木坂四姉妹」をぜひご覧ください。公式サイトでも詳しい情報やチケット購入が可能です。戦争の記憶を振り返りつつ、未来を見つめる姉妹の姿に、きっと心を打たれることでしょう。