ITエンジニアの採用難と外部人材活用の実態
IT業界では、エンジニアの採用が年々難しくなっています。特に、自社開発企業やSIerにおいては、人材不足が深刻な問題として浮上しており、多くの企業が外部人材の活用に目を向けています。
調査背景と目的
株式会社ラクスパートナーズが実施した調査においては、自社開発企業やSIer勤務のITエンジニア採用担当者を対象に、外部人材(派遣・SES・業務委託)の活用実態について詳しく調べました。調査は2025年1月に行われ、399人が回答しました。
調査結果の概要
- - 外部人材の活用意向: 約97.7%の企業が今後も外部人材の活用を継続する意向を示しています。
- - 活用ポジションと単価: SE層が約60%を占め、月額単価は60万~90万未満がボリュームゾーンとされています。
- - 年齢層の分布: 外部人材の年齢は、30代が約3割、20代と40代がそれぞれ約2割を占めていることが確認されました。
- - 未経験者の採用: まさに半数が実務未経験者を採用しており、その理由には人材不足が大きく影響しています。
外部人材活用のメリット
調査では外部人材を活用した6つのメリットが浮かび上がりました。
- - 課題解決へのアプローチ: 外部人材はプロフェッショナルな視点で業務に取り組むため、迅速な課題解決に寄与します。
- - 業務整理の促進: 外部人材を受け入れることで、既存の業務や役割を整理する機会が持て、全体の効率が上がります。
- - リスクヘッジ: 正社員が退職した場合の業務のブランクを防ぐことができ、問題発生時には柔軟に対応できます。
年代ごとの活用状況
企業が利用している外部人材の年代分布を見てみると、30代の割合が最も高く、次いで20代と40代が続きます。このことから、企業は経験豊富な人材と共に、若く意欲のあるエンジニアも積極的に採用していることがわかります。
実務未経験者に視点を当てて
驚くべきことに、約48.6%の企業が実務未経験者を採用しており、その理由としては、コミュニケーション能力や意欲といったソフトスキルを重視していることが挙げられます。調査回答者の多くが、実務未経験であっても目指す姿勢を評価し、将来の成長を期待する傾向にあるようです。
まとめ
「ITエンジニアの外部人材活用」の実態調査結果から、各企業が人材不足にどう対応しているか、その解決策が明らかになりました。特に、コミュニケーション能力や意欲といったソフトスキルを重視する新たな採用戦略は、今後の人材育成においても重要な指標となるでしょう。業界全体が抱える課題に取り組むため、外部人材の活用はますます重要な施策として認知されるはずです。