ホワイトハンドコーラスNIPPONがやなせたかし文化賞を受賞
インクルーシブ合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」が、今年の「第3回やなせたかし文化賞」を受賞しました。この名誉ある賞は、作詞作曲や絵本、漫画など、子どもたちのための芸術文化の向上を目指して創設され、やなせたかし氏の106回目の誕生日である2月6日に授与が発表されました。
受賞の経緯と意味
やなせたかし文化賞は、児童向けの文化活動を積極的に推進する個人や団体に授与される賞です。ホワイトハンドコーラスNIPPONは、ろう者、難聴者、視覚障害者といった多様なメンバーが集う合唱団であり、音楽を通じたコミュニケーションの可能性を広げています。この受賞は、特に多文化共生の重要性を再認識させてくれるものです。
子どもたちの表現活動
ホワイトハンドコーラスでは、子どもたちが音楽を「目で聴く」新しい形での学びを重視しています。昨年の自主公演では、やなせたかし氏の作詞による『希望の歌』に挑戦し、子どもたち自身が手話を交えながら表現の意味について深く話し合いました。この過程を通じて、音楽が持つ力や、希望と夢の違いに気づくことができたのです。
選考員の称賛
受賞に際して、選考員の方々からも高く評価されており、特に里中満智子氏は「音の持つ意味を体を通じて伝える表現方法に感動した」と述べています。また、作曲家の早川史郎氏は、現代の子どもたちが培っている「目で聴いて、体で歌う」能力が、音楽をより豊かなものにしていると指摘しました。
今後の展望
ホワイトハンドコーラスNIPPONの芸術監督、コロンえりか氏は、やなせたかしさんの優れた作品が今も多くの子どもたちに希望をもたらしていることを強調し、受賞を機にさらなる活動の拡充を目指しています。授賞式は4月12日に予定されており、参加者が集まることに期待が寄せられています。
ホワイトハンドコーラスNIPPONについて
2019年に設立されたホワイトハンドコーラスNIPPONは、南米ベネズエラに起源を持つ「エルシステマ」の理念に基づき、多様なバックグラウンドを持つ子どもたちが音楽を通じて共に成長することを目指しています。障がいの有無や経済的な状況に関係なく、誰でも参加でき、学ぶことができることが特徴です。2023年にはキッズデザイン賞を受賞し、さらに2024年にはオーストリアの国際賞『ゼロ・プロジェクト・アワード2024』を受賞予定です。
このように、ホワイトハンドコーラスNIPPONは音楽を通じて子どもたちに希望を広げ、未来に向けた優れた文化活動を展開しています。さらに多くの人々にそのメッセージが届くことを願っています。