舞台『十二人の怒れる男たち』のビジュアル撮影舞台裏レポート

この度、舞台『十二人の怒れる男たち』のメインビジュアルやパンフレットの撮影現場を取材しました。この作品は、1954年にアメリカで生まれた名作で、日本を含む多くの国で上演されています。3月26日から30日まで東京のサンシャイン劇場で上演されます。

物語は、18歳の少年が父親を殺したとして有罪を求められる陪審員室での出来事を描いています。陪審員たちは全員一致の評決を求められ、物語が進行する中でそれぞれの考えや偏見が浮き彫りにされていきます。

この公演を支えるのが、富永勇也、小波津亜廉、朝田淳弥の三人の俳優たちです。撮影のスタジオはホワイトホリゾントで、彼らの立ち姿と椅子を使ったポーズを基盤に進められました。撮影ブースでは、オレンジ系の照明が彼らの表情と役柄の内面に光を当てていました。

撮影は、カメラマンとデザイナーが役柄や光の当たり方を緻密に計算しながら進められ、それぞれの陪審員のキャラクターが色濃く反映される瞬間を捉えました。

撮影の様子：朝田淳弥（陪審員2番）

朝田は銀行員という役柄を演じるため、渋い焦げ茶色のスーツでスタイリッシュに決まっています。デザイナーによると、2番は周囲に気を配りつつも、決断を躊躇う性格を持つ人物です。

撮影中、朝田は「2番は決めた後の抜けたところを重点的に撮ることを心がけています」と話し、緊張感漂う空間の中で自身の役柄に没入していました。彼の表情には、その不器用さが感じられ、スタジオ内には笑いが生じるシーンも。

撮影の様子：小波津亜廉（陪審員10番）

次に登場した小波津は、労働者階級のキャラクターを体現するため、サスペンダーを身にまとい、がっしりとした体格で存在感を放っています。10番は怒りっぽい偏屈な役柄で、撮影ではそのキャラクターを表現するため、椅子の上でアドリブを交えました。

小波津は一見不機嫌な演技を余儀なくされながらも、和やかな雰囲気を作り出すことに成功しました。「怒りのバリエーションを表現できたと思います」と語る彼の姿からは、役柄への深い理解が伺えました。

撮影の様子：富永勇也（陪審員8番）

最後に登場する富永は、建築家である8番を演じています。アースカラーのベージュのスーツで、温かみのある印象を醸し出しています。8番は最初の投票で無罪を主張した唯一の人物であり、彼の信念が重視されます。

富永はその芯の強さを表現するため、カメラに向かってしっかりと座り、これからの議論に臨む姿勢を示しました。「映像監修者からのアドバイスを元に、自然に8番を演じられた」と語り、確固たる信念が彼の瞳に宿っていました。

全体を通して、役者たちの真剣な取り組みが伝わってきました。『十二人の怒れる男たち』が、観客の心をつかむことは間違いありません。彼らの素晴らしい演技と魅力的な人物像によって、舞台は感動的な作品へと仕上がることでしょう。また、各キャラクターの掘り下げがなされることで、ストーリーへの深い理解が期待できます。

公演概要やチケット情報など、詳細は公式サイトでご確認ください。皆さんのお越しを心よりお待ちしております。