オムロンとNVIDIA Omniverse™が織りなすデジタルツイン革新
2025年3月18日、カリフォルニア州サンノゼで開催されたNVIDIA GTC 2025において、オムロン株式会社は自社のオートメーションソフトウェア「Sysmac Studio」とNVIDIA Omniverse™の連携を発表しました。この技術革新により、デジタルツイン環境が構築され、生産現場の作業効率が劇的に改善されることが期待されています。
デジタルツインとは?
デジタルツインは、物理的な資産やプロセスのデジタルコピーを作成し、リアルタイムでその動作を監視・分析する技術です。この技術は、トラブルシューティングや開発プロセスにおいて不可欠であり、効果的な生産性向上を実現します。
Sysmac StudioとOmniverse™の一体化
オムロンのSysmac Studioは、自社のコントローラー、センサー、サーボモーター、そして安全装置など、さまざまなオートメーション技術を統合するプラットフォームです。これをNVIDIA Omniverse™と組み合わせることで、デジタルツイン環境が生成され、装置内部の再現が可能になります。これにより、トラブルシューティングが迅速に行えるだけでなく、開発期間の短縮や製品設計の品質向上にもつながります。
実際の展示内容
オムロンの展示ブースでは、NVIDIA GPUを搭載したCT X線自動検査装置「VT-X」シリーズが紹介されました。この装置は、最高解像度0.2µm/ピクセル、最高速度1.4秒/FOVの性能を誇ります。また、生成AI技術を駆使し、Aww Inc.のバーチャルヒューマンとの連携により、自然言語でのソフトウェア操作が可能になりました。これにより、高い技術力を持たないオペレーターでも簡単に検査システムを最適化できるようになります。
オムロンの vision
オムロンのインダストリアルオートメーションビジネスカンパニーのコントローラー事業部長、朴帝映氏は、「我々は、自動化ソリューションを通じて、精密なデジタルツインの実現を目指しています。NVIDIA Omniverse™との連携によって、モノづくりを革新し続けます」と述べています。このようにして、オムロンは生産現場の開発者に対し、リアルタイムで物理的に正確なデジタルツインを提供する計画です。
生成AIの活用
NVIDIA GTC 2025では、オムロンが生成AIの活用にも注目しています。熟練工のノウハウを搭載した生成AIが、自然言語を用いて現場作業を支援し、オペレーターとマシンの連携を強化します。このバーチャルヒューマン技術は、技術的な障壁を下げるだけでなく、業務効率の向上にも貢献することでしょう。
まとめ
オムロンは90年以上にわたり、製造現場の専門知識の蓄積と、NVIDIAなどのリーダー企業とのコラボレーションを通じて、デジタルツイン技術の進化を促進させています。今後も、オムロンはこの革新技術を活用し、生産現場の作業効率や歩留まりの向上に寄与していくことでしょう。
詳しくは、オムロンの紹介サイト「3Dシミュレーションで開発期間短縮・設計品質向上」をご覧ください。