沖縄民謡の巨星、夢の共演がアナログ盤で蘇る
2025年12月6日、登川誠仁と大城美佐子の名盤『デュエット』が、ついに初めてアナログ化されます。これは、沖縄民謡界のビッグ・スター2人による唯一の共演アルバムであり、その価値は計り知れません。この作品は、確認の上、レコードの日に合わせての発表となり、音楽ファンにとって特別な日になることは間違いありません。
このアルバムの制作は、2012年に遡ります。同年5月18日、登川誠仁宅に大城美佐子が訪れ、収録曲についての打ち合わせが行われました。大城さんが「登川さん、美佐子さんと2人でレコーディングしてくださいよ」と言っていたことが実現され、6月にはレコーディングの日程が決定しました。まさに「気が熟したならすぐに」という雰囲気が漂っていました。このレコーディングは、沖縄市のサード・ガレージ・スタジオで、二人が顔を見合わせ、一発録りで行われました。
名曲揃いの音楽の宝庫
収録曲は、沖縄民謡の傑作やカチャーシー曲など、名曲が揃っています。「谷茶前」や「ハリクヤマク」など、沖縄の文化や歴史が息づく楽曲を楽しむことができます。特に「ナークニー〜山原汀間トゥー」では、二人の即興の歌声が聴き手を引き込みます。この生き生きとしたライブ感は、沖縄民謡の真髄を存分に伝えてくれる一枚と言えるでしょう。
登川誠仁は、1932年に兵庫県で生まれ、長い道のりを経て沖縄民謡界の重鎮となりました。彼は38年間にわたって民謡界で活躍し、その功績は大変なものです。彼の早弾きの技術やエレキギターを演奏する才能も知られ、「沖縄のジミヘン」と呼ばれるほどの存在です。彼は、映画「ナビィの恋」の準主役としても知られ、その名は沖縄文化に深く刻まれています。
対する大城美佐子は、1936年に大阪で生まれ、名護市で育ちました。伸びやかな高音で知られる彼女は、デビュー以来、沖縄民謡界をけん引し続けてきました。古典音楽の名手を身近に育ち、彼女自身の歌声は「絹糸の声」と形容されるほどに美しいものです。多くの映画にも出演し、民謡ライブハウス「島思い」を経営しながら、若手との共演や指導にも力を注いできました。
このアルバムは、登川誠仁の遺作ともなり、彼の音楽を愛するすべての人々に届けたいものです。アナログ盤には、音楽ファンを惹きつけるために選ばれた曲の詳細なライナーノートや歌詞、対訳も付属します。ファンにとっても、新しい世代のリスナーにとっても、この作品は沖縄民謡の魅力を再発見する絶好の機会となることでしょう。
おわりに
『デュエット』は、沖縄の音楽シーンの宝とも言えるアルバムです。手元に置いておきたい一枚であり、聴くたびに新たな感動を得られることでしょう。心ゆくまで二人の歌声と三線の音色に浸り、沖縄民謡の奥深さを堪能してみてください。この機会に、ぜひ手に入れてみてください。