日阪製作所が新たに提案する超省エネ型加熱殺菌・滅菌装置
2025年5月9日、株式会社日阪製作所は、蒸気使用量を最大50%削減することができる新型の加熱殺菌・滅菌装置を発表しました。この技術革新は、食品業界や医療分野で広く利用されているレトルト食品や医薬用輸液バッグの製造工程に大きな影響を与えると期待されています。
従来の課題と新技術の登場
従来の加熱殺菌・滅菌装置では、製品の加熱後に発生する熱エネルギーは、毎回冷却されてしまい、再利用されないのが常でした。これにより、工場内での蒸気の使用量が増加し、同時に熱エネルギーの無駄が生じていました。
日阪製作所の新型装置は、この問題を解消するために設計されています。この装置は、加熱処理を行った後の熱エネルギーを次の殺菌プロセスで効率的に再利用できる仕組みを備えています。その構造は、製品を装填する処理槽と、加熱後の水を収集するための温水回収タンク、さらには製品予冷後の水を収集する中温水回収タンクで構成されています。
省エネの実現とその仕組み
具体的には、加熱処理後の約120℃の水を温水回収タンクに、予冷後の約90℃の水を中温水回収タンクに蓄熱し、次工程における加熱や予熱に再利用します。これにより、従来の製品に比べて蒸気使用量を最大で50%も減少させることが可能です。
環境への配慮と関係機関との連携
この新しい装置は、設備の更新を通じて大幅な省エネルギー化を促進し、同時に脱炭素化へ向けた取り組みを支援します。また、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)の「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」と「省エネルギー投資促進支援事業」から補助金の対象となる指定設備として認証を受けています。
日阪製作所は、今後も省エネルギー化やコスト削減を目指す顧客に対して、この新型装置を積極的に提案していく方針です。最終的には、加熱殺菌・滅菌装置の受注において、30%以上のシェアを目指し、2050年のカーボンニュートラル実現に向けた貢献を果たしていきます。
お問い合わせ
詳しい情報やお問い合わせは、日阪製作所のプロセスエンジニアリング事業本部営業部までお電話ください。
- - TEL: 0743-25-2901
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この新しい技術は、食品業界や医療業界にとって大きな変革をもたらすことでしょう。環境への配慮をも考慮した製品選びが、今後さらに重要になっていきます。日阪製作所の挑戦に、今後も目が離せません。