世界最小のローラチェーン「エプシロンチェーン」が贈賞
大阪市北区に本社を構える株式会社椿本チエインが開発した、世界最小の超小形ローラチェーン「エプシロンチェーン™ステンレス仕様」が、日刊工業新聞社とモノづくり日本会議共催の「“超”モノづくり部品大賞」において「機械・ロボット部品賞」を受賞しました。この革新的な技術は、これまでの常識を覆すものであり、多くの産業に新たな可能性をもたらします。
受賞の背景
「“超”モノづくり部品大賞」は、日本の製造業を支える部品や素材の中から、革新性や需要に対する応答、そして社会貢献を評価するために設けられた制度です。エプシロンチェーンは、その中で特に「機械・ロボット部品賞」を受賞するに至りました。
この製品は、1.905mmという非常に小さなピッチを持ち、極めて狭い空間でも動力伝達を実現します。産業用ロボット、医療機器、福祉機器など、多様な分野での適用を目指す新しい基準となるでしょう。受賞コメントには、以下のような点が挙げられています。
- - 加工技術において1000分の1mm台の寸法精度を達成したこと
- - 動力伝達の性能がワイヤやタイミングベルトを超えている点
- - ロボットのエンドエフェクタ部への採用実績
エプシロンチェーンの特性
エプシロンチェーンは、株式会社椿本チエインの100年以上の技術力を結集し、挑戦的な開発を経て生まれました。強度、耐食性に優れたこのローラーチェーンは、医療機器の高精度化、小型化、そして製造現場の省力化を可能にします。
特に、産業用ロボットにおいては、エンドエフェクタへの小型軽量部品としての役割を果たし、作業効率を飛躍的に向上させる可能性が広がっています。これにより、省人化が進み、生産性の向上が期待されます。
今後の展望
椿本チエインのパワトラ事業統括専務執行役員の永井康詞氏は、「エプシロンチェーンを通じて、さらなる産業用ロボットや医療機器の普及と、その小型化・高精度化を推進していく」と語っています。この技術が業界に与える影響は計り知れず、今後の展開に大いに期待が寄せられます。
現在、エプシロンチェーンは自社の特設サイトやプレスリリースを通じて、その特徴や技術について詳しく紹介されています。さらに、YouTubeチャンネルでも動力伝達のスペースセービングに貢献する様子を映像で確認できるので、ぜひご覧ください。
エプシロンチェーンの詳細情報
この新たな製品が、今後どのように産業を変革していくのか、その行方に注目が集まります。