2024年の2月と3月に、CS衛星劇場で特別放送される「斎藤寅次郎監督生誕120年」特集が注目を集めています。この特集では、日本映画界の名監督、斎藤寅次郎の傑作を中心に、計9作品が放送される予定です。斎藤監督は、200本以上の映画を手がけ、その中には日本映画界に多大な影響を与えた作品が含まれています。特におなじみのキャラクター、車寅次郎の名前の由来となった人物でもあります。
特集で放送される中でも特に注目したい作品は、「子宝騒動」と「明け行く空」です。これらの作品は、弁士の佐々木亜希子さんと永田雅代さんによるピアノ演奏を伴った活弁トーキー版として初めてテレビで放送されます。活弁トーキーとは、無声映画に音声と音楽をつけて楽しむスタイルで、昔ながらの映画を新たな形で楽しむことができる魅力があります。
『子宝騒動』は1935年の作品で、間もなく七人目の子供を迎えようとしている貧しい福田家の様子が描かれています。失業中の福田さんは、ガスが止まっても薪でご飯を炊けると呑気に構えている姿がユーモアを醸し出しますが、今回の放送では、こうしたストーリーが活弁の良さによってより一層引き立てられることでしょう。
一方、1929年の『明け行く空』は、日本初の女流脚本家、水島あやめが脚本を手掛けた母娘の物語です。恭子が実家に戻った後、数年後に牧師となった恭子が成長した娘と再会する様子が描かれています。親子の絆や家族の絆をテーマにしたこの作品は、多くの人に共感を呼ぶことでしょう。
また、特集には他にも数々の名作がラインナップされています。たとえば、美空ひばり出演のコメディ『ラッキー百万円娘』や、「腰抜け狂騒曲」、「花の二十八人衆」など、コメディやドラマ、サスペンスと幅広いジャンルが揃っています。
特に『ラッキー百万円娘』は、当時12歳の美空ひばりが大爆笑コメディの主演を務め、彼女の魅力がたっぷり詰まった作品です。他にも爆笑人気作の『腰抜け狂騒曲』や、文化文政の大江戸を舞台としたストーリーが展開される『勢揃い・大江戸六人衆』なども視聴できます。
これらの作品は、懐かしの映画体験を新たな形で提供してくれるでしょう。斎藤寅次郎監督の映画作品を通じて、日本の映画文化を改めて感じられる貴重な機会です。これからの放送日程をチェックして、是非ご覧ください。特集の詳細や放送予定はCS衛星劇場の公式サイトで確認できます。伝説的な映画監督の足跡を追い、歴史的な映画を活弁と共に味わう贅沢な時間をぜひお楽しみください。