東京芸術劇場に新たな風が吹く
東京芸術劇場は、2026年4月1日をもって音楽部門の新たな芸術監督に山田和樹氏を迎えます。これにより、開館以来初めてとなる2人体制での芸術監督がスタートします。舞台芸術部門の岡田利規氏と共に、新たな音楽の創造を目指したプロジェクト「山田和樹&東京芸術劇場交響都市計画」が始まります。
交響的変容とは
このプロジェクトで最初に取り上げるのは、水野修孝作曲の『交響的変容』という大作です。この作品は、クラシック、ジャズ、民族音楽など、さまざまな音楽要素を融合させたもので、初演時は約700名もの演奏者が参加したと言われています。邦人作曲家による作品の中でも、その内容と規模は群を抜いており、今でも多くの音楽ファンの記憶に残っています。
初演を担った太鼓奏者・林英哲氏や、東京混声合唱団、栗友会合唱団、そして山田氏が信頼を寄せる読売日本交響楽団が一堂に会し、この伝説的な作品に挑戦する様子は、音楽愛好者にとって極めて魅力的なものとなるでしょう。
新しい時代の幕開け
「近未来」「芸劇から世界への発信」「クロスオーバー」をテーマとし、新しい創造と挑戦のステージへと向かう東京芸術劇場の音楽プログラム。多様な音楽とアートの交差点として、指揮者の山田和樹氏と共に歩む新たな道のりは、期待感を膨らませてくれます。
山田和樹の想い
次期芸術監督の山田和樹氏は、今回の作品に込めた思いとして、「人がつながり、集まることの重要性」を強調しています。コロナ禍を経て、公共ホールが果たすべき役割、すなわち人々が集まるための居場所を提供することが、今の時代には特に重要であると語っています。
『交響的変容』は、大きな音楽がもたらす感動を人々に届け、舞台と客席が共鳴しあい、一体感を生み出すことが求められる作品です。「大きいことはいいことだ」という価値観が変わってきた昨今、山田氏の提案するこの大プロジェクトに耳を傾けることが、私たちの未来を形作る一助となるでしょう。
公演概要
この公演は、2026年5月10日(日)に東京芸術劇場コンサートホールで開演されます。演奏には、山田氏を筆頭に読売日本交響楽団、東京混声合唱団、栗友会合唱団が参加。特に林英哲氏の太鼓演奏も見どころで、この作品を彩る重要な要素となります。
公演詳細:
- - 日時: 2026年5月10日(日) 12:00開演(11:00開場)
- - 会場: 東京芸術劇場 コンサートホール
- - 出演: 山田和樹(指揮)、読売日本交響楽団、東京混声合唱団、栗友会合唱団
- - チケット: S席17,000円、若者割引などもあり。
- - チケット発売日: 2023年11月22日
未来への展望
山田和樹氏は、東京芸術劇場が「池袋から世界へ」とのテーマを掲げていることについて、具体的な実現に向けた意気込みを語っています。過去の歴史から学び、新しい価値を生み出すためには、卓越した企画力と創造力の結集が必要です。彼の芸術監督としての新しい挑戦に、期待が寄せられています。
新しいプロジェクトが始動し、音楽界に新たな息吹を与える東京芸術劇場の動向に、ぜひ注目していきましょう。