岡山大学が地域脱炭素化を進める取り組みを環境省が評価

国立大学法人岡山大学（所在地：岡山市北区、学長：那須保友）が行う地域ぐるみの脱炭素経営支援体制の構築が、環境省の「令和7年版環境・循環型社会・生物多様性白書」において先進的な事例として取り上げられました。この取り組みは、岡山県内の製造業、特に温室効果ガスを多く排出する自動車部品産業の地域特性に基づいて策定されたものです。

地域経済と環境の両立を目指す

岡山大学と株式会社中国銀行は連携し、経済学部の学生たちが岡山技研工業株式会社の製品についてカーボンフットプリント（CFP）の算定を実施しました。この活動を通じて算定された結果は地域内で共有され、環境への意識を高めるきっかけとなりました。温室効果ガスの排出量を「見える化」することで、企業は自身の環境負荷を把握し、改善に向けたアクションを取りやすくなります。

具体的な取り組み

具体的には、以下のような活動が行われています：
1. CFP算定
岡山技研工業の製造する2製品に対して、学生がCFPを算定し、それを元に精度の高いデータ提供を行いました。これにより、企業側も進捗を確認しやすくなるとともに、環境負荷の低減に向けた意識が高まりました。
2. 地域との連携
学生たちの成果は報告会で地域の関係者と共有され、企業と地域住民との環境問題に対する認識の向上が図られました。
3. 温室効果ガス排出量の算定支援
組織単位での温室効果ガス排出量の算定支援にも取り組んでいます。これにより、地域全体での温室効果ガスの低減を推進します。

掲載された理由

環境省の白書に取り上げられた背景には、岡山大学が地域の脱炭素化に対する真剣な取り組みを行い、具体的な成果を上げていることが評価されたためです。大学が地域経済団体や企業と協力して、持続可能なビジネスモデルを作るための支援を行うことは、他の大学にとっても一つの手本となるでしょう。

今後の展望

岡山大学は今後も引き続き、地域の経済団体や企業、金融機関との連携を強化し、実践的な脱炭素経営支援のモデルを構築していく方針です。この活動は単なる環境問題への対策にとどまらず、地域全体の経済成長にも寄与することを目指しています。

これからも岡山大学の脱炭素化に向けた取り組みにご期待ください。地域社会、環境に優しい未来を共に築いていくための挑戦が続きます。