新たな知の共創を目指して
2025年6月9日、大阪経済大学と大阪電気通信大学は、包括連携協定を結び、教育の新たな形を模索しています。この連携は、経済と工学を中心に、両大学の専門性を活かしながら、知識の共有と人材の育成を目的としています。
知の融合、教育プログラムの多様化
この協定の特徴は、経済・経営領域で培った「実践知」と、工学・情報・医療・ゲーム領域における「実践知」を融合させる点です。両大学は相互に授業科目の共同開発や単位互換、共同研究、学生交流プログラムを展開し、学生に多様な学びの機会を提供します。
大阪経済大学の山本学長は、この協定が生まれた背景について語ります。「約1年前、学長セミナーで大阪電気通信大学のイノベーションに触れ、両大学の連携が新たな価値を生むと確信しました。特に、大阪電気通信大学からは金融工学や経済に関する要望が多かったことがきっかけです。」
このように、両大学はそれぞれの強みを活かすことで、学生に新たな視野を提供することを目指しています。
文理を超えた新たな教育の形
大阪電気通信大学の塩田学長は、教育の現状について懸念を示しました。「工学や情報分野に特化した学生たちが経済や経営の知識を学ぶ機会は限られていました。技術を社会に還元するには、ビジネスの理解が必須です。この連携によって異分野の知識を学ぶことで、学生たちは新しい価値を創造できるようになります。」
このように、1つの分野に偏ることなく、多様な視点で教育に取り組む姿勢が両大学の強みです。また、「知と知をつなぐ」ことをキーワードに、越境型教育プログラムの構築も視野に入れ、デジタル時代に対応した人材育成にも力を入れる姿勢を示しています。
未来に向けた期待
この協定を通じて、経済と先端技術の融合から新たな価値が生まれ、関西だけでなく、日本全体の未来を担う人材の育成につながることが期待されます。大学間の連携は、将来的には産業界とのコラボレーションにも広がり、社会的課題に取り組む力を持った人材を輩出する土壌が作られることでしょう。
締結式の様子と今後の展望
式典では、両学長が揃って互いの大学の強みを称賛し、これからの取り組みに期待を寄せました。実際に、多様な専門性を持つ学生が協力することで、問題解決能力と創造性を兼ね備えた人材の育成がより進展することが見込まれます。
今後、この協定が具体的にどのような形で展開されていくのか注目されます。教育の枠を超えた新たな学びが、未来の社会にどのような影響を及ぼすのか、一層の期待が高まるところです。