大阪・関西万博で展示されるセンサリールーム
大阪・関西万博は、さまざまな文化や技術の交流の場として注目を集めていますが、特に注目したいのが、株式会社Lean on Meが協力した「障がいのある方にやさしいBOX型センサリールーム」です。2023年6月3日から6月9日の期間、ヘルスケアパビリオンの「大阪超越文化横丁」にて展示されます。このセンサリールームの設計は、障がいのある方がリラックスできる環境を提供することを目指しています。
センサリールームの背景
センサリールームは、人々の五感を刺激し、心を落ち着けるための特別な空間です。1970年代にオランダで開発され、その使い方は広がりを見せています。今では保育園や学校、オフィスなど多くの場で利用されています。近年では、日本国内でも利用例が増え、空港やスポーツスタジアムへの導入も進んでいます。
Lean on Meの代表・志村駿介の思い
Lean on Meの代表である志村駿介氏は、自身の弟がダウン症であることをきっかけに、障がいのある方と接する機会が増えました。外出先で心が不安定になった際、落ち着ける場所がないという苦い経験から、センサリールームの必要性を強く感じるようになりました。このBOX型センサリールームが普及することで、障がいを持つ方々がより社会に参加しやすくなることを目指しています。
センサリールームの特長
1. 五感を刺激する技術
本センサリールームは、照明技術に優れたパナソニックとのコラボレーションによって実現したもので、100年以上の歴史を持つ照明技術を活用しています。利用者の五感に適度に刺激を与えるため、ライトや音響に関する設計がされています。特に、障がいを持つ方の理解を深めるために、100名以上の専門家と連携してデータをもとに設計された音響・照明システムが組み込まれています。
2. 安全でコンパクトな設計
このセンサリールームは、奥行き105cm、長さ190cm、高さ210cmというコンパクトなサイズでありながら、消防法にも対応しています。屋内のどこにでも設置が可能で、キャスター付きで移動も簡単です。将来的には、駅や空港、ショッピングモールなどでも利用されることを目指しています。
3. 使いやすさ
ボタン一つで簡単に使える点も大きな魅力です。利用者が「少し休みたい」と感じた時に、すぐに入ることができ、自分のタイミングでリラックスできる環境が準備されています。これにより、「自分で選べる」という感覚を大切にしました。
共創チームのコメント
パナソニックの三浦美賀子氏は、このアクセラレータープログラムを通じて、センサリールームの必要性を強く実感したと述べています。日常生活で障がいのある方がもっと自由に外出できるよう、今後も共創を進めていく意向を示しています。
大阪超越文化横丁について
展示される「大阪超越文化横丁」は、万博の中で新しい文化や技術を発信する場として設けられています。Lean on Meは「CHALLENGE 3: みんなで描こう、誰もが暮らしやすい社会」に参加し、より多くの人々にこの活動を知ってもらう機会としています。これは、障がいのある方々がより良い生活を送るための良いきっかけとなるでしょう。
このように、障がいのある方にやさしいセンサリールームは、万博の中でも特に社会的な意義を持つ展示であり、多くの人々に関心を持ってもらいたい試みです。今後の活躍が非常に楽しみです。