感動と深いメッセージを秘めたドキュメンタリー
父親の老いを真正面から捉えたドキュメンタリー映画『うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生』が、観る者に感動と深いメッセージを届けています。この映画は、演技だけでなく、人生そのものを役柄として生きた俳優、織本順吉の晩年に焦点を当てています。
映画の概要
監督は織本順吉の長女である中村結美で、彼女はこの作品を通して父と向き合い、老い、家族、そして生の意味といった深いテーマに挑みました。映画は82分の長さで、カラーとモノクロの美しい映像が交錯し、視覚的にも鑑賞者を魅了します。
この映画では、従来のドキュメンタリーとは一味違ったアプローチがとられており、劇場での上映中も多くの観客から共感の声が寄せられています。そんな中、この映画に関連する書籍『ジツゴト2000の役を生きた俳優・織本順吉』も緊急発売され、映画では描ききれなかったエピソードや心境が存分に語られています。
書籍の内容
中村監督が手掛けたこの書籍は、映画の内容を更に掘り下げるもので、織本順吉の俳優としての人生を辿ることができます。全12章からなるこの本では、父の役者としての道のりや、家族との複雑な関係が赤裸々に描かれています。特に、老いることに対する思索や、家族との向き合い方は、多くの人々にとって共感を呼ぶ重要なテーマです。
各章の概要
1.
末期の息が撮りたくて では、監督が抱いた父の晩年への思いを描き、2.
役者の処世と芝居の極意 では、彼が伝えたかった演技の哲学が語られます。3.
演技のコツ では、役者としての心得が説かれ、4.
戦禍と共に始まった俳優への道では、戦後の社会背景と彼の成長が描かれます。
5.
戦後の復興 から受けた影響を語り、6.
監督たちとの思い出 では、作品への思い入れが語られます。7.
引き返せない川を渡って では、人生の選択について深く掘り下げ、8.
役者家族の始まり では家族の変遷を描きます。9.
父のいない家族では、織本順吉の不在がもたらす影響を考察し、10.
新天地・那須に隠された秘密 では、意外な発見が紹介されます。11.
幻となった海外作品 では、映画『MISHIMA』についての逸話が語られ、12章では、彼の最後のジツゴトが描かれます。
最後に
『うしろから撮るな 俳優織本順吉の人生』とその関連書籍は、大切な人との向き合い方や、老いの意味を考えさせる貴重な作品です。大阪でも来月に上映が決定しているようで、多くの人に観てもらいたい作品です。母と娘の心温まるドキュメンタリーを、ぜひ劇場で体感してください。
上映情報
- - 新宿K's cinema で絶賛上映中
- - 大阪府第七藝術劇場 では5月31日からの上映予定
- - 他の地域でも続々と公開が予定されています
公式サイトはこちら
映画と書籍の両方を通じて、織本順吉の人生とそのメッセージに触れ、深い感動を得ることができるでしょう。