熊本のイ草農家を支援、業界共同の寄付活動が成功
2025年8月、熊本県八代市は記録的な豪雨に見舞われ、その影響で全国的に有名なイ草の産地が甚大な被害を受けました。今回の豪雨によって、八代市の被害総額は速報で100億円を超え、そのうちの36億8千万円が農林水産物の被害でした。特にイ草農家の機械や刈り取りに関する被害額は13億3千万円にも達し、この状況は国産畳文化を支える八代市の今後に大きな影響をもたらしています。
そんな中、大阪府の株式会社業務企画センターを代表する島田光章氏が、畳業界や治療家、福祉関係者など、25社にわたる協力を得て、寄付を行うことを決意しました。合計70万円の寄付金は、JA八代い業部会長である友枝和也氏に贈呈されました。この寄付は、八代市のイ草農家を支援するだけでなく、業界全体を活気づける大きな一歩ともなりました。
島田氏は、自らも畳店を経営していた経験から、八代市のイ草農家に何か手助けをしたいという想いが強く、今回の支援活動を呼びかけたとのことでした。「畳の重要な材料であるイ草の生産者を支えることは、畳業界全体の未来にとっても意味のあることだ」と語る島田氏。過去には熊本地震の際にも個別に支援活動を行っていたものの、今回は業界の垣根を超えた幅広い支援の重要性を感じたようです。
実際、今回の寄付活動には治療ブースで畳を使用している治療家や、中小企業支援に関わる勉強会の参加者も名を連ねており、幅広い業種からの支援が集まりました。これは、ただの寄付に留まらず、各業種が集まって共に支援することで、コミュニティの絆を強める意義も大きいと言えるでしょう。
八代市は国産畳の約90%、国産イ草の生産の95%以上を担う重要な地域です。もしイ草農家が今後も厳しい状況が続くと、全国の畳文化にも影響が及びかねません。そのため、業界の協力がますます求められるのが現状です。今回の寄付活動を通して、業界全体が連携し、八代市のイ草農家の復興を後押しすることができればと期待されています。
株式会社業務企画センターは障がい者就労継続支援A型を行いながら、IT関連の事業も展開している企業で、代表の島田氏は長い間畳業界に貢献してきた人物です。彼の努力によって、この寄付活動が実現したことは、地域の絆のみならず、日本の文化を支える重要な活動として評価されています。今後もこのような形での支援が続くことを願っています。
八代市のイ草については、改めてその歴史や文化的背景も知っていただく必要があります。イ草は畳の表面材として古くから親しまれ、日本の住宅文化には欠かせない存在です。そのため、今回の豪雨による被害を受けた農家が再生することは、日本の伝統文化を守るためにも重要です。今後もこの取り組みに注目し、広めていくことが求められます。