関西大学に見る食費削減の工夫
近年、米価格の高騰は多くの家庭や学生に影響を及ぼしています。特に大学生は限られた資金の中で日々をやりくりしており、食費を削減する傾向にあります。
そうした中、関西大学の「100円朝食」が注目を集めています。この取り組みは、学生に対して経済的な負担を軽減するためにスタートしました。2018年度よりを提供してきたこのサービスは、今や関西大学千里山キャンパスの重要な支援の一つとなっています。
高騰する米価格
食育環境を整えるために設計された「100円朝食」は、質の高いものでありながらも非常にリーズナブルな価格で提供されています。それにも関わらず、昨今の米価格の高騰により、実際の仕入れが非常に厳しくなっています。この半年分の米は想定の3倍もの価格で取引されているのが実情です。このような背景の中、関西大学生活協同組合の専務理事である森本秀友氏は、赤字覚悟で価格を据え置く決断を下しました。
森本氏は「学生が食事を削ることはあってはならない。健康を維持するためには、食事は重要だ」と語り、学生のために奮闘しています。しかし、厳しい状況が続くと、来年度の継続が難しくなる可能性があるとも警告しています。
増え続ける利用者
そんな中でも、「100円朝食」の人気は高まり続けています。2025年の5月、利用者の数は昨年同期比で約2割増加。1日あたり164食が消費されていたのが197食にまで増えました。この増加は、学生たちが経済的な理由から朝食を外部で購入できない状況を反映しています。実際に学生から寄せられた声には「100円朝食がないと朝ごはんを食べない」「できるだけ食費を抑えたいので、これが助かっている」といった、心温まるコメントが多数あります。
食文化の未来
経済的な事情で食事を抜く事のないよう、食事という基本的ニーズを守ることが大切な学生支援の一環です。関西大学のこの取り組みは、ただ生活費の負担を軽減するだけでなく、学生の健康をも気遣った、学校全体での協力の結果です。
「100円朝食」を利用した学生が恩恵を受ける一方で、大学は学生の学びの環境を整えるための持続的なサポートを約束しています。この取り組みは単なる食事提供に留まらず、未来の食文化を育む基盤ともなりうるのです。今後も関西大学が展開するこのプロジェクトに期待が寄せられます。