不登校支援にサイエンスを!
不登校や長期欠席に悩む子どもたちを支援するための新しい助成事業「不登校支援に「サイエンス」を」への公募が、2025年12月19日に開始されることが発表されました。本事業は、公益社団法人子どもの発達科学研究所とREADYFOR株式会社の協力により、休眠預金を活用して実施されます。支援の対象は全国で、主に不登校の子どもたちに対し、科学的な根拠に基づいた個別支援を提供することを目的としています。
事業概要
この助成事業は、2026年5月1日から2029年2月28日までの約2年10ヶ月にわたり実施される予定で、5~6団体の実行団体を採択し、それぞれに年間約1,300万~1,560万円の助成を行います。これにより、合計で約3,900万~4,680万円の資金が支援されます。また、評価関連経費も別途助成され、支援の質を高める工夫がなされています。
公募期間は2025年12月19日から2026年1月26日までで、支援を希望する団体には、オンラインでの公募説明会や相談会が用意されています。説明会は2025年12月19日に、相談会は12月23日に行われ、申請方法や審査スケジュール、質疑応答が予定されています。
背景と目的
近年、日本国内での不登校の子ども数は増加傾向にあり、2024年には約34万6千人に達しました。この増加の背景には、トラウマやメンタルヘルス、発達特性など様々な要因があり、特に「科学的根拠」に基づく支援が求められています。調査結果によると、リサーチを進める中で、子ども一人ひとりの状況を的確に把握し、それに基づいた支援を行うことが再就学率の向上につながるとされています。
これに対し、現状の民間支援団体では科学的根拠に基づいた支援が十分に行われていないのが実情です。この問題を解決するために、本事業では専門的な研修やアセスメントツールの提供、地域資源の調査支援を行うことが明言されています。これにより、不登校支援に関わる団体の能力向上と、その結果としての支援の質の向上を目指します。
具体的な支援内容
本事業では、採択された団体が実施する支援内容に対して、資金的な補助のみならず、実施団体のリーダー層や支援スタッフへの専門的な研修が提供されます。これにより、参加団体の専門性を高め、不登校の背後にある原因に適切にアプローチできるようにします。
また、効率的なアセスメント手段やモニタリングツールも整備され、地域の連携資源を調査することで、団体間のつながりを強化することが目指されています。これにより、「科学的根拠に基づく支援モデル」の構築が進められます。
まとめ
不登校という問題は、子どもたちの未来に大きな影響を与える課題です。本事業が進むことで、一人ひとりが自分に合った支援を受けられる環境が整うことが期待されています。さまざまな団体の参加が求められるこのプロジェクトに、興味のある方々はぜひ公募説明会への参加を検討してください。多くの子どもたちが支援を受け、明るい未来へと進んでいけることをみんなで願っています。