ドローン技術の新たな一歩：3D点群データのリアルタイム伝送実現へ

2025年6月5日、株式会社amuse oneself（以下、アミューズワンセルフ）は、KDDI株式会社およびKDDI総合研究所と共に、ドローンによる3D点群データのリアルタイム伝送の実証実験を成功させました。この技術の実用化により、水害発生時の迅速な情報収集が期待されています。

1. 実証実験の概要

本実証実験では、アミューズワンセルフが開発したドローンレーザースキャナシステム「TDOT 7 GREEN」を使用し、最先端のグリーンレーザー技術を活用して、上空から水中の3D地形情報を計測しました。これにより、従来の近赤外線レーザーでは難しかった水中のデータ可視化が可能になりました。

さらに、KDDIが提供する3D点群圧縮ソフトウエアをドローンに搭載することで、伝送にかかるデータ量を大幅に削減し、リアルタイムでのデータ転送を実現しました。

2. 当日の取り組み

実証実験が行われたのは、大阪府豊能郡能勢町のノマックドローンフィールドで、企業の本社にデータを即座に送信する形で行われました。このプロジェクトでは、KDDIスマートドローンの上空電波パッケージを使用し、モバイル通信を介してリアルタイムでデータを伝送しました。

本実証において、3D点群データのリアルタイム伝送が可能であることが確認され、これにより災害時の素早い対応が期待されています。

3. 未来への展望

水害の発生時、正確な被害状況の把握は非常に重要です。しかし、従来の方法では情報共有に時間がかかり、住民の避難誘導や復旧計画の策定が遅れるという課題がありました。しかし、今回の技術革新により、これが数時間から数分に短縮される可能性が高まっています。

アミューズワンセルフ、KDDI、KDDI総合研究所の3社は、今後も様々な事業者と連携し、この技術を社会に実装するための研究開発を進めていく予定です。災害対策や救助活動への貢献を目指し、さらなる技術革新を続けていきます。

4. 実証の位置付け

この実証実験の結果は、アミューズワンセルフのドローンレーザースキャナシステム「TDOT 7 GREEN」と「TDOT 7 NIR」の新しいオプションとして、2025年に発売される予定です。また、同技術は2025年6月18日から6月21日に幕張メッセで開催される第7回国際建設・測量展CSPI-EXPO2025にて展示予定です。

3次元での情報取得は、今後の社会構築にとって欠かせない技術です。アミューズワンセルフは、今後の展開に期待を寄せています。