順天堂医院とヒューマンリソシアが医療事務育成で連携強化
医療業界では、少子高齢化の影響で人材の需要が急増しています。特に、事務職は医療機関において必須の存在であるにも関わらず、確保が難しい現状が続いています。この解決策として、順天堂大学医学部附属順天堂医院とヒューマンリソシア株式会社が新たな取り組みを開始しました。両者は連携し、新卒から医療事務専門職への育成に力を入れ、未経験の若者に実務経験を提供することでキャリア形成を後押ししています。
取り組みの背景
医療機関では、看護師や医師に限らず、医療事務スタッフの確保も重要な課題です。これにより、診療報酬の改定などで増加する業務負担に対応できる体制が求められています。多くの医療機関は、人材確保が最重要課題と認識しており、この連携によりさらなる医療事務の人材育成が期待されています。
具体的な取り組み
本プログラムは、ヒューマンリソシアが新卒の若者を正職員として採用し、必要な研修を経た後、順天堂医院にて医療事務職を担当するという流れで運営されています。新たに採用された職員は、業務を通じて迅速にスキルを身に付け、医療事務としてのキャリアスタートを図ります。このプログラムは、既に100名以上の若者が医療事務としての職を得る契機を提供しています。
未経験者の受け入れ
特に注目すべき点は、未経験者が医療事務の職に入りやすくする環境が整えられていることです。順天堂医院では、外来患者の多い現場において、専任のリーダーが新卒社員を指導しながら実務経験を積ませることで、現場で即戦力として活躍できるようにしています。2025年までには、さらに80名の新たな採用を計画しており、医療事務職の希望者が多く集まることが予想されます。
双方の利点
この連携によって、医療機関は安定した人材を確保できるだけでなく、若者にとっても専門性の高いキャリアを築く機会が提供されます。また、医療事務における育成型派遣モデルは、単なる人材確保を超えて、未来の医療機関でのリーダーを育成する道筋をも確立しています。順天堂医院の米澤和彦事務部長は、「ヒューマンリソシアの育成型派遣サービスにより、効率的かつ安定した業務運営が実現し、医療機関全体の課題解決につながる」と期待を寄せています。
今後の展望
ヒューマンリソシアは、医療ニーズの増大やIT技術の進化を背景に、さらに医療事務人材の育成に注力していく計画を立てています。若者が成長できる環境での経験が、将来的なキャリア選択肢を広げると同時に、医療業界全体の質の向上にも貢献します。このプロジェクトを通じて、医療事務スタッフが不足しているという社会的課題の解決を目指します。
結論
医療事務専門職の育成における順天堂医院とヒューマンリソシアの取り組みは、医療機関の人材不足という大きな課題に挑む重要なステップです。両者が結束することで、未来に向けて必要な医療事務人材の育成と、若者のキャリア形成を実現していくことでしょう。今後の進展が楽しみです。