新たな音楽の扉を開く『テリー・ライリー完全版』
音楽史に名を刻む巨星、テリー・ライリーの全貌を収めたディスクガイド『テリー・ライリー完全版』が、2025年4月30日になんと発売されます。オーケストラ作品から即興音楽まで、幅広いジャンルを網羅し、特にミニマリズムの世界に深く分け入る一冊です。本書は、株式会社河出書房新社から刊行されます。
ミニマルミュージックの先駆者
テリー・ライリーは、アメリカ出身の音楽家であり、ミニマリズムの創始者として知られています。特に、音の繰り返しや単純な音型を積み重ねることで新たな音楽的表現を生み出した「インC」は、ミニマルミュージックの代表作の一つです。この手法は、後のポピュラーミュージックやエレクトロニックミュージックに多大な影響を与えました。
2020年に日本に移住したライリーは、近年ではNHKクラシックTVなどに出演し、その才能を広く知らしめています。特にその表現力豊かな音楽スタイルは、坂本龍一や久石譲など多くの現代音楽家にも影響を与えています。
膨大な音源と豊かな内容
『テリー・ライリー完全版』では、ライリーの数々の音源が網羅されています。レコードやCD、カセットなど、あらゆるメディアで発表された作品を厳選し、特に代表的な作品や隠れた名作も紹介されます。特筆すべきは、ライリーの作品が時代や地域を超えてどのように展開されてきたかを探る内容となっている点です。
本書の第1章では、ライリーのアーリー・イヤーズを掘り下げ、ミニマルミュージック以外にも豊富なスタイルを実証しています。続く第2章では「インC」の世界に焦点を当て、さまざまな演奏者たちによる演奏を紹介。第3章では、テリーの多様な音楽スタイルを徹底解説します。
インタビューや特別対談も充実しており、他のアーティストや専門家との対話を通じて、ライリーの音楽家としての哲学や創造力が深く掘り下げられています。特に、巻末に収録されている特別対談では、ライリー自身が語るミニマリズム誕生の背景や自身のアプローチに関する知見が得られ、読者にとっても非常に価値のある内容となっています。
音楽の未来を感じさせる本書
テリー・ライリーは、アラビアやアフリカ、アジアのメロディの要素を融合させ、ジャズの影響を受けながら、独自の音楽世界を築いています。彼の音楽が多くの人々に支持される理由は、まさにこの多様性にあるといえるでしょう。
『テリー・ライリー完全版』は、彼の音楽をより深く理解したい人や、新たな音楽の感動を求めるすべての人にとって貴重な資料となること間違いなしです。また、音楽家を志す方々にとっても、ライリーの表現とスタイルは、今後の創作活動において刺激となることでしょう。
ぜひ、この素晴らしい一冊を手に取り、テリー・ライリーの音楽の深淵を体験してください。彼が放つ音楽の光に満ちた世界が、あなたの人生を変えてくれることでしょう。