長寿命の建物を支える!新たな防錆工法「ERP鉄筋防錆工法」に注目
建物の耐久性や美観を保つためには、劣化や腐食からの対策が欠かせません。特に、鉄筋コンクリート造の構造物は、雨水や塩化物による腐食の影響を受けやすく、その補修方法は非常に重要です。そこで注目したいのが、株式会社コンステックが開発した「ERP鉄筋防錆工法」です。この革新的な工法は、既存の鉄筋コンクリート造の補修において、優れた防錆効果を実現しました。
ERP鉄筋防錆工法とは?
「ERP鉄筋防錆工法」は、鉄筋腐食補修工法の防錆処理後に新たに「ERP鉄筋防錆剤」を塗布することで、防錆効果をさらに向上させる手法です。この防錆剤は、ポリマーセメント系防錆材に含浸させることで機能し、水分や塩化物の浸透を抑える層を形成します。この層が劣化因子の浸入を阻害し、鉄筋の腐食を防ぐのです。特に、かぶり厚さが不足しがちな歴史的建造物やRC構造物の補修において、その効力を発揮します。
防錆効果の特長
この新工法の最大の特長は、塗布したポリマーセメント系防錆材の表層が防錆効果を発揮する点です。試験でも、ERP鉄筋防錆剤を塗布した鉄筋が、塩分を多く含む環境でも腐食を抑制することが確認されました。つまり、雨水や塩化物による腐食からしっかりと鉄筋を守ることができるのです。
工法は、旧志免竪坑櫓の修理工事での経験を元に開発されました。特に外観を変えたくない文化財や歴史的な建物の補修に適しており、重要文化財を持つ地域にとって大きな助けとなるでしょう。
機能性と実績
ERP鉄筋防錆剤は、建築改修工事監理指針やNEXCO構造物施工管理要領の基準値をクリアしています。そのため、実績も豊富で、多くの建築物で導入されています。対象としては、戸建て住宅から商業ビル、公共施設まで多岐にわたります。
試験の成果
試験結果においては、ERP鉄筋防錆剤を塗布した鉄筋が、塩化物イオンの浸透を大幅に抑制することが確認されました。具体的には、モルタル試験体を作成し、塗布前後での塩分浸透試験を実施。画像分析においても、ERP塗布ありとなしで明確な違いが見られたそうです。この実証により、工法の信頼性が一段と高まりました。
コンステックについて
株式会社コンステックは1969年に設立以来、鉄骨・コンクリート建造物の調査や補修工事を一貫して行ってきました。同社は「既存建築物の長寿命化」という分野のリーディングカンパニーとしての地位を確立し、全社員が技術者としての誇りを持ち、社会のニーズに応えた独自の技術開発を進めています。技術革新を通じて、安全で持続可能な社会環境を実現するための取り組みを続けています。
本社は大阪市中央区に位置し、詳細な情報は公式ウェブサイトからも確認できます。
おわりに
「ERP鉄筋防錆工法」は、歴史的な建物の補修においてもその威力を発揮します。長寿命の建物を保つためには、こうした先進的な防錆工法の利用がますます重要となるでしょう。今後、ますます注目を浴びるこの工法の展開に期待が寄せられます。