福祉・介護施設の衛生管理に関する調査結果
株式会社ダスキン(大阪府吹田市)が展開するターミニックス事業は、福祉・介護施設の職員や管理責任者を対象に「福祉・介護施設の衛生管理と害虫・害獣対策」に関する実態調査をおこないました。調査は、全1,016人の回答を集計し、福祉施設の衛生管理の実態、そして害虫や害獣の発生状況について分析しました。
調査の概要
この調査の背景には、福祉・介護施設での衛生がいかに重要かという認識があります。高齢者が生活するこれらの施設では、健康管理とともに衛生管理が常に求められる課題です。調査を通じて明らかになった点をご紹介します。
衛生管理を担う職員の実態
調査の結果、約6割の福祉・介護施設では、衛生管理を「施設職員(介護職・看護職など)」が主に担っていることがわかりました。一方で、専門業者への委託はそれほど行われていないことも明らかになり、職員主体の衛生管理が主流です。職員自身が清掃や消毒を行うことが一般的であり、これが人手不足や認識の違いに起因するという課題もあると言えます。
不十分な衛生管理の現実
約3割の職員が「衛生管理は不十分」と感じており、その理由には人手不足や作業のばらつきが強く影響していることが伺えます。多くの施設が日常業務と衛生管理の両立が難しいことから、改善が必要な状況です。また、特定エリアの清掃が不十分であるとの指摘も挙げられています。無理のない形で衛生管理を行うため、適切な教育や定期的な見直しが求められるでしょう。
実際に見られる害虫・害獣の発生
調査によると、約7割の施設で定期的に害虫・害獣を目撃しているとの結果が得られました。特に「ゴキブリ」「蚊」「ハエ」が頻繁に出現しており、効果的な対策が急務です。そしてこれに伴い、職員・入所者から改善の要望も多く寄せられています。生活衛生が影響を受けやすい環境にある福祉・介護施設では、定期的な駆除や環境の整備が求められます。
害虫・害獣への対応状況
多くの施設では、害虫・害獣の対策を職員が行っている現実があります。「清掃・除草」「ゴミ管理」といった現場主導の取り組みが中心であり、外部の専門業者による支援はあまり見られません。改善要望が職員からだけでなく、入所者やその家族からも寄せられていることから、衛生環境の重要性が一層明確になっています。
専門業者の利用と今後の展望
今後の衛生管理においては、専門業者による定期点検や駆除のニーズが高まると予想されています。「効果」と「コスト」に重きを置いたサービス選定が重要視され、これにより福祉・介護施設の衛生管理がより専門的かつ持続可能なものとなることが期待されます。人手不足の課題に対し、専門業者と連携しながら衛生環境を整備していくことが鍵となるでしょう。
ダスキン ターミニックスが提案する対策
ダスキン ターミニックスは、害虫対策において特に隠れ場所を減らすことが重要だとしています。例えば、ゴキブリの巣になる段ボールや新聞紙は早めに処分する必要があります。また、清掃を定期的に行い、ゴミや有機物を残さないことで、害虫発生のリスクを減らすことができます。蚊に関しては、水が滞留するポイントを見つけ、うまく管理することが求められます。これらの対策を講じることで、より快適な環境づくりを目指します。
まとめ
福祉・介護施設における衛生管理は、職員が主体となって運営されていますが、人手不足やルールの曖昧さからくる課題も多く存在しています。今後は、専門業者との協力を進めることで、より効果的な衛生管理の実現が求められています。安心して過ごせる施設環境を提供するための取り組みが、より一層重要になるでしょう。