音楽の力と脳の関係を探るカシオの研究
カシオ計算機と東京大学先端科学技術研究センターが共同で行った研究が、国際学会「Cognitive Neuroscience Society 2026(CNS2026)」で発表されました。この研究は、音楽が私たちの認知機能や作業効率にどのように影響するかを科学的に検証するもので、特にカシオの光ナビゲーションキーボード「LK-530」を使用して実施されました。
研究の背景と目的
この共同研究は、カシオが音楽が生活や仕事に与える価値を科学的に解明し、新たな製品やサービスの開発に役立てることを目的としています。2025年7月に始まったこの契約により、音楽のテンポが短期記憶の処理速度や正答率に与える影響、ビート強調による生理指標や脳活動への影響、さらに電子楽器を用いた認知サポート機能の可能性を探ることを目指しました。
実証実験の成果
音楽のテンポによる脳の反応
実証実験の結果、音楽のテンポが脳の活動および覚醒水準に大きく影響することが確認されました。特に、速いテンポの楽曲が流れると自己調整に関わる背内側前頭前野(DMPFC)の活動が活性化し、心拍数も上昇する傾向が見られ、体と脳の覚醒レベルが向上しました。一方、遅いテンポの楽曲はリラックス効果があり、心身の緊張を和らげることがわかりました。
この成果から、次のようなことが科学的に裏付けられました:
- - 速いテンポの楽曲:作業効率が有意に向上する
- - 遅いテンポの楽曲:リラックス効果が確認される
研究手法の詳細
この研究では、2025年10月21日から11月6日の間に、カシオ計算機の羽村技術センターで30名の被験者を対象に実施されました。参加者には「LK-530」に収録されたテンポの異なる楽曲を聴かせ、同時に認知課題をこなしてもらい、脳血流測定用のNIRSシステム、心拍センサー、アイトラッカーを用いて脳活動や心拍変動を測定しました。音源には異なるテンポのクラシック音楽が使用され、結果として、音楽の選び方が作業の効率や質に与える影響が明らかになりました。
音楽を用いた新たなアプローチへの期待
カシオはこの研究を通じ、音楽がもたらす脳への良い影響を科学的に証明し、今後の製品開発に繋げていくことを重視しています。音楽を効果的に活用し、ウェルネスやウェルビーイングに貢献する新たなソリューションの開発が今後期待されています。
今回の発表からも、音楽が私たちの内的な状態を調整する重要な要素であることが分かり、より豊かな社会作りに向けた新たな展開が見込まれます。