医療用語統一エンジン特許取得で変わる医療データ
株式会社MeDiCUが、医療データの表記揺れを解消する「医療用語統一エンジン」の特許を取得しました(特許第7813486号)。この技術は、電子カルテに記載される多種多様な医療用語を自動的に標準用語に変換し、AIの精度向上に寄与します。
特許取得の背景
日本の医療現場において、電子カルテの利用が日常的なものとなる一方で、記載内容に関する標準化が不足しています。医師や医療機関によって異なる記載スタイルのため、同じ病状でも異なる単語で記録されることが多く、その結果、データの質が低下しています。例えば、第一頸椎の骨折が「第一頸椎骨折」や「C1骨折」といった異なる表記で記録されることがあり、医療データの研究応用において大きな障害となっています。
このような表記揺れは、AIを活用した予測モデルの構築においても、データの質を著しく悪化させる原因となり、他施設への展開を妨げるものです。そこで、MeDiCUは、表記のバラつきを解消し、正確なAI学習が可能になるよう本特許を取得しました。
特許技術の革新と特徴
本特許は、従来の辞書マッチング手法に留まらず、「優先順位を持つ複数の変換ルールを階層的に適用する」ことで、高精度な標準医療用語(ICD-10など)への変換を実現します。
主要なポイントは以下の通りです:
- - 段階的変換アルゴリズム:文字列が標準用語と一致しない場合、あらかじめ設定された複数のルールを順番に適用し、最適な用語に導きます。
- - 自動的な表記分解:例えば、「C1-3骨折」を「C1骨折」「C2骨折」「C3骨折」に分解し、データの欠損を防ぎます。
- - 文脈に応じた集約:広い概念に基づく用語の集約を行い、解析の目的に沿った最適なデータ粒度を実現します。
- - AI学習への直結:正規化されたデータを使って、患者の急変を予測するAIの学習を統合するプロセスを定義しています。
期待される効果
本特許技術により、異なる病院から収集したデータの正規化が迅速に行えるようになります。これにより、以下のような効果が期待されます。
- - AI導入の迅速化:病院ごとに個別対応を最小限にし、短期間でのシステム稼働を実現します。
- - 精度の安定性:データバリエーションに影響を受けにくい安定した予測結果を提供します。
- - スケーラビリティ:異なる電子カルテベンダーを利用する病院でも、統一されたデータ基盤の構築が可能です。
今後の展望
MeDiCUはこの特許取得を機に、単なるAIアルゴリズムの提供にとどまらず、医療データの「質」を担保する企業としての役割を果たし、臨床意思決定支援AIの展開を加速する考えです。また、研究機関や製薬企業と連携し、医療データの利活用を推進していきます。
まとめ
株式会社MeDiCUの医療用語統一エンジン技術は、医療現場でのデータ管理を大きく進化させる可能性を秘めています。これにより、国内の医療ビッグデータの質向上が期待され、より良い医療サービスにつながることでしょう。
特許概要
- - 特許番号:特許第7813486号
- - 発明の名称:プログラム、情報処理システム及び情報処理方法
- - 特許権者:株式会社MeDiCU
- - 登録日:令和8年2月4日
株式会社MeDiCUについて
MeDiCUは日本最大級のRWDプラットフォーム「OneICU」を運営し、AIを用いた医療支援サービスを提供しています。迅速かつ的確な臨床判断を支え、医療の質向上と格差解消を目指しています。詳細は
公式サイトをご覧ください。