大阪・関西万博での笑いと健康
2025年の大阪・関西万博で、吉本興業が出展した『よしもとwaraii myraii館』。このパビリオンでは、「笑いと健康」をテーマにしたさまざまなプログラムが展開され、訪れた多くの人々に楽しんでもらいました。そして、その中で行われたのがAIによる実証実験『Smile Log』です。この検証を通じて、笑いがもたらすポジティブな感情についての分析結果が発表されました。
笑いがもたらす癒しの効果
『よしもとwaraii myraii館』では、来館者の笑顔や感情をAIを用いて分析しました。大規模な実証実験の結果、笑いが人々の心身の健康に及ぼす影響や、笑いの相乗効果が浮かび上がってきました。昭和医科大学の大嶽浩司教授はこの取り組みを「世界初の先進的かつ価値の高い実証実験」と評価しています。
パビリオンのメインエントランスは、笑顔の球体『タマー』。訪れる人々は、さまざまなプログラムも楽しみました。実証実験は、来館者に協力してもらい、感情を定量化・可視化することを目指して行われました。
感情分析の詳細
感情分析には、Olive株式会社の開発したツール『LA CAUSE』が活用されました。来館者はQRコードからアプリにアクセスし、入退館時やコンテンツ鑑賞前後の感情を分析されました。結果、約71%の人が「リラックス」を感じ、これが『よしもとwaraii myraii館』における笑いの力が癒しにつながる可能性を示唆しています。特に『Comedy show』では「ワクワク」感が7%上昇し、ダンスと熱唱の多かった『盆踊りのアシタ』では、「ワクワク」と「ヘトヘト」が大幅に上がるなど、コンテンツの違いによる感情の変化が見られました。
笑顔検知の分析
笑顔検知には、一般社団法人One Smile Foundationが開発した『スマイラル』が使用され、来館者の自然な笑顔をカウントしました。驚くべきことに、笑顔の回数が累計で1,000万回を超え、ギネス世界記録にも認定されました。この笑顔の持続性や、来館者の多い日曜日、時間帯別での笑顔の割合の違いも明らかになりました。周囲の笑顔が自分の笑顔を引き出す要因とも考えられ、コミュニティの力が見事に体現されています。
今後の展望
この実証実験を通じて、笑いがもたらす感情的な変化をデータ化することに成功しました。これにより、笑いが単なる娯楽ではなく、ウェルビーイングに寄与する手段であることが明らかになりました。吉本興業はこの重要なデータを、大阪・関西万博の貴重な成果として活用し、さらに「笑い」が持つ可能性を探求し続ける方針です。
心の健康を保つことの重要性が高まる昨今、私たちの生活にも「笑い」の力を取り入れることが求められています。大阪・関西万博での経験が、今後どのように社会に影響を与えるのか、非常に楽しみです。
また、『笑いと健康プロジェクト』の詳細や分析結果は、公式サイトでの公開が予定されていますので、ぜひチェックしてください。