大阪万博の注目を集める西陣織ドームの製作秘話と未来
2025年4月に開催される大阪・関西万博は、すでに多くの話題を呼んでいます。その中でも特に注目を集めているのが「飯田グループ×大阪公立大学共同出展館」。この施設は、約3,000㎡の広さを誇り、「世界最大の西陣織で包まれた建物」としてギネス世界記録にも認定されています。
この独自の外装を手がけたのが、京都の伝統工芸である西陣織の老舗である「細尾」の12代目、細尾真孝氏です。彼は西陣織を生かした新しい作品を次々と作り出し、ディオールやシャネル、リッツ・カールトンなどの名だたるブランドからも注目されています。
6月4日放送の「冨永愛の伝統to未来」では、冨永愛が細尾氏を訪れ、西陣織の技術や素材、そしてそれらを使ったプロダクトやファニチャーについて直接語り合います。これは単なる伝統の承継でなく、西陣織の未来に向けた挑戦に他なりません。
西陣織が世界から評価される理由は、アメリカの著名な建築家ピーター・マリノとの出会いに根ざしています。彼との交流をきっかけに、細尾氏は新たな可能性を追求し、長さ12m、幅36cmという従来の反物にとらわれず、より広い幅でのジャカード織機を開発するという前代未聞の挑戦に乗り出しました。
このプロジェクトの象徴として注目されるのが、細尾氏が4年をかけて作り上げた西陣織の外壁を持つ巨大ドームです。多くの新たな挑戦を行ってきた細尾氏にとって、風雨や台風に耐える構造を持つ西陣織の製作は、まさに頂上が見えない山のようなものだったと振り返ります。彼の言葉では、「今までの挑戦の中でも、今回は特に何も見えないところからのスタートでした」と語っています。
細尾氏は、その外壁が耐水性や耐火性などの機能をクリアするために糸の研究から始め、耐久性と美しさを兼ね備える織物を生み出すために努力を重ねてきました。こうして構想2年、製作2年という長い道のりの末に、ついに世界初の西陣織ドームが完成しました。細尾氏のこの成果には感動したものの、実感が湧かないと語っているのも印象的です。
この「飯田グループ×大阪公立大学共同出展館」は、単なる建物ではなく、日本の伝統文化と技術が結実した象徴的な存在です。冨永愛の番組では、細尾氏の挑戦の背景や西陣織の未来に関する考えを詳しく掘り下げていく予定です。
「冨永愛の伝統to未来」は、毎週水曜の夜10時からBS日テレで放送中です。番組の公式SNSも活用して、番組にまつわる貴重なオフショットや情報をチェックしてください。日本の伝統を未来に繋ぐこの取り組みは、多くの人々に感動と刺激を与えることでしょう。