大阪ガス、SOECメタネーション技術のベンチスケール試験施設を完成
大阪ガス株式会社は、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で、日本のエネルギー業界に新風を吹き込む「SOECメタネーション技術」の開発を進めています。このたび、ベンチスケール試験施設が完成し、竣工式を迎えました。この施設は、CO2を使った新たな燃料製造技術を実証するための重要な一歩です。
SOECメタネーション技術とは
SOEC(Solid Oxide Electrolysis Cell)メタネーション技術は、高効率なエネルギー変換を追求する革新的なアプローチです。この技術では、再生可能エネルギーを利用して水とCO2を電気分解し、生成された水素や一酸化炭素を使ってメタン合成を行います。このプロセスは、従来の技術に比べて外部からの水素調達が不要で、エネルギー変換効率が約85~90%と高いのが特長です。
ベンチスケール試験の目標
大阪ガスは、2024年度からのラボスケール試験を経て、200戸相当のベンチスケール試験を実施します。特に、この試験では、SOEC水蒸気電解装置とメタン合成反応装置を組み合わせて装置の性能を評価するとともに、高いエネルギー変換効率の実現に向けたデータ収集を行います。試験を進める中で、さらなる高効率化にも取り組む予定です。
試験が進む2030年度には、世界最高レベルのエネルギー変換効率を持ったe-メタン製造技術の確立を目指し、最終的には2030年代後半から2040年にかけての実用化を見据えています。
環境への貢献
このプロジェクトは、2050年カーボンニュートラル社会の実現に向けた大きな一歩です。大阪ガスの取り組みは、気候変動に立ち向かう社会課題解決において重要な役割を果たすことが期待されています。また、Daigasグループは、エネルギートランジション2050の理念のもとで、持続可能な社会を目指す技術やサービスの開発に注力しています。
結言
SOECメタネーション技術の進展は、OSAKAが持つ強固な技術基盤の上に築かれています。環境問題に対する意識が高まる中、この試験施設の設立は、未来のエネルギーのあり方を変える可能性を秘めています。私たちは、この新しい技術に期待し、温かく見守っていきたいと思います。